脳底動脈閉塞で発症し,大脳半球全域にも梗塞巣が出現した心原性脳塞栓症再発の1例

症例は88歳女性。左片麻痺,意識障害で発見され当院救急外来に搬入された,右中大脳動脈領域の梗塞が認められ,入院の上保存的治療を行った.心電図で心房細動があり,心原性脳塞栓症と考えられた.約2カ月後四肢麻痺,意識障害で再び当科入院となった.脳幹反射の障害があり,3D-CT angiographyで脳底動脈が描出されず脳底動脈閉塞症と考えられた.入院後,経過観察の頭部CTで全大脳に梗塞巣が確認された.入院中に脳梗塞再発を疑わせる症状の変化はなく,両側内頸動脈領域も来院時既に虚血に陥っていたものと考えられた.大脳半球全域の脳梗塞の発生機序について文献的考察を加えて報告する....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:脳卒中 2006/06/25, Vol.28(2), pp.324-328
Hauptverfasser: 宗田, 高穂, 近藤, 清彦, 吉岡, 裕樹, 井川, 鋭史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は88歳女性。左片麻痺,意識障害で発見され当院救急外来に搬入された,右中大脳動脈領域の梗塞が認められ,入院の上保存的治療を行った.心電図で心房細動があり,心原性脳塞栓症と考えられた.約2カ月後四肢麻痺,意識障害で再び当科入院となった.脳幹反射の障害があり,3D-CT angiographyで脳底動脈が描出されず脳底動脈閉塞症と考えられた.入院後,経過観察の頭部CTで全大脳に梗塞巣が確認された.入院中に脳梗塞再発を疑わせる症状の変化はなく,両側内頸動脈領域も来院時既に虚血に陥っていたものと考えられた.大脳半球全域の脳梗塞の発生機序について文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.28.324