3.脳梗塞急性期医療の実態「厚生省健康科学総合研究事業脳梗塞急性期医療の実態に関する研究」

脳卒中は死亡率こそ第3位となっているが, 後遺症 に悩む患者の数は決して減少してはいない. そして, 要介護者の約40%の原因となり, 脳卒中の治療に国民 医療費の約9%を費やしているのが現状である. 食生 活の欧米化と高血圧管理の徹底により脳出血は明らか に減少し, 現在では全脳卒中死の中の60%以上を脳梗塞が占めるに到っている1). 1996年, 発症3時間以内の脳梗塞に対する組織プラ スミノーゲン. アクチベータ(rt-PA)の有用性が証明 されて以来, 超急性期の治療の重要性が叫ばれている2). しかし, わが国では急性期脳梗塞の医療の実態は 殆ど明らかにされておらず, 治療の方向性を...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2000/12/25, Vol.22(4), pp.628-633
Hauptverfasser: 山口, 武典, 木村, 和美, 端, 和夫, 斎藤, 勇, 大和田, 隆, 村上, 雅義
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳卒中は死亡率こそ第3位となっているが, 後遺症 に悩む患者の数は決して減少してはいない. そして, 要介護者の約40%の原因となり, 脳卒中の治療に国民 医療費の約9%を費やしているのが現状である. 食生 活の欧米化と高血圧管理の徹底により脳出血は明らか に減少し, 現在では全脳卒中死の中の60%以上を脳梗塞が占めるに到っている1). 1996年, 発症3時間以内の脳梗塞に対する組織プラ スミノーゲン. アクチベータ(rt-PA)の有用性が証明 されて以来, 超急性期の治療の重要性が叫ばれている2). しかし, わが国では急性期脳梗塞の医療の実態は 殆ど明らかにされておらず, 治療の方向性を探るためのデータが不足しているのが現状である. 今回, 厚生省健康科学総合研究事業の一環として, 脳梗塞急性期医療の実態を全国レベルで調査する機会 を得, 初年度の研究として全国の医療機関に対するアンケート調査を実施したので, その概要を報告する. 「対象と方法」 初年度は第2年度以降の前向き調査の基礎資料を得る目的で, 概要を把握することとした.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.22.628