一過性脳虚血に伴う脳組織エネルギー代謝障害ならびに最初期遺伝子群発現に及ぼす新規急性期脳血管障害治療薬NS-7の効果

高血圧自然発症ラット(SHR)の両側総頸動脈同時結紮モデルを用いて,大脳組織エネルギー代謝,脳内アミノ酸およびモノアミン含量の変化,さらに最初期遺伝子群等のmRNA量の変化を捉え,これらに及ぼす新規急性期脳血管障害治療薬NS-7(Na+およびCa2+チャネル遮断薬)の虚血後投与の効果について検討した.1時間の脳虚血により,テント上脳組織乳酸含量は有意に増加し,逆にグルコースおよびATPは減少した.さらに,脳内アミノ酸の変動,Egr-1mRNA量の増加およびCREBmRNA量の減少傾向が認められた.NS-7(0.25mg/kg,i.v.)を虚血開始40分後に投与すると,脳内グルコース,ATPおよ...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2000/09/25, Vol.22(3), pp.379-386
Hauptverfasser: 井林, 雪郎, 吉永, まゆみ, 北園, 孝成, 大星, 博明, 藤島, 正敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高血圧自然発症ラット(SHR)の両側総頸動脈同時結紮モデルを用いて,大脳組織エネルギー代謝,脳内アミノ酸およびモノアミン含量の変化,さらに最初期遺伝子群等のmRNA量の変化を捉え,これらに及ぼす新規急性期脳血管障害治療薬NS-7(Na+およびCa2+チャネル遮断薬)の虚血後投与の効果について検討した.1時間の脳虚血により,テント上脳組織乳酸含量は有意に増加し,逆にグルコースおよびATPは減少した.さらに,脳内アミノ酸の変動,Egr-1mRNA量の増加およびCREBmRNA量の減少傾向が認められた.NS-7(0.25mg/kg,i.v.)を虚血開始40分後に投与すると,脳内グルコース,ATPおよびCREBmRNA量の低下が改善された.NS-7は脳虚血前後の血圧,脳血流量および動脈血パラメータ諸量に影響を及ぼさず,SHR前脳虚血に基づく脳内エネルギー代謝障害およびCREBシグナル低下を改善することが明らかとなった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.22.379