腸内細菌と神経炎症

「要旨」腸内環境は様々な疾患との関連が注目されている. 腸と中枢神経は腸脳相関として関連が深いことが以前から注目されていた. さらに, 腸は免疫系との関連が深く, 中枢神経と免疫系も関連が深い. 近年. 多発性硬化症のような免疫疾患ばかりでなく, パーキンソン病などに代表される変性疾患においても炎症反応などの免疫応答が病態形成に関与することが注目されている. 腸内細菌との関連では, 免疫性神経疾患の代表である多発性硬化症においても, 病態形成への腸内環境の関与が注目されているパーキンソン病においてもdysbiosisが報告されている. 腸内環境が神経炎症に影響を与える機序については動物モデルを...

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Veröffentlicht in:腸内細菌学雑誌 2023-10, Vol.37 (4), p.179-185
1. Verfasser: 三宅幸子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」腸内環境は様々な疾患との関連が注目されている. 腸と中枢神経は腸脳相関として関連が深いことが以前から注目されていた. さらに, 腸は免疫系との関連が深く, 中枢神経と免疫系も関連が深い. 近年. 多発性硬化症のような免疫疾患ばかりでなく, パーキンソン病などに代表される変性疾患においても炎症反応などの免疫応答が病態形成に関与することが注目されている. 腸内細菌との関連では, 免疫性神経疾患の代表である多発性硬化症においても, 病態形成への腸内環境の関与が注目されているパーキンソン病においてもdysbiosisが報告されている. 腸内環境が神経炎症に影響を与える機序については動物モデルを使って研究がなされており, 腸内細菌の代謝産物や細菌成分が免疫系に影響を与えるだけでなく, グリア細胞にも影響して病態に関与する可能性が示されている.
ISSN:1343-0882