マウス腸管常在性乳酸菌の腸内分布とストレス耐性

本研究では, マウス常在性乳酸菌種の腸内部位ごとの存在状態, ならびにさまざまなストレス反応性について検討した. 今回実験に用いたマウスにはLactobacillus reuteriとL. intestinabsの2種が優勢菌種として存在していることを16Sr DNA解析より確認した. 両菌種とも糞便中はもとより, 十二指腸, 空腸から回腸, 盲腸および大腸組織中にほぼ同程度の割合で存在していることがLBS寒天培地上に生じるコロニーの肉眼的解析および, 乳酸菌グループ特異的プライマーペアーを用いたPCR-DGGE法から判明した. L. reuteriの温度, 酸および胆汁酸処理に対する生存性は...

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Veröffentlicht in:腸内細菌学雑誌 2007, Vol.21 (4), p.314-314
Hauptverfasser: 端秀子, 竹田保之, 吉田登, 大森英晶, 平山洋佑, 安藤功一, 菊地政則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, マウス常在性乳酸菌種の腸内部位ごとの存在状態, ならびにさまざまなストレス反応性について検討した. 今回実験に用いたマウスにはLactobacillus reuteriとL. intestinabsの2種が優勢菌種として存在していることを16Sr DNA解析より確認した. 両菌種とも糞便中はもとより, 十二指腸, 空腸から回腸, 盲腸および大腸組織中にほぼ同程度の割合で存在していることがLBS寒天培地上に生じるコロニーの肉眼的解析および, 乳酸菌グループ特異的プライマーペアーを用いたPCR-DGGE法から判明した. L. reuteriの温度, 酸および胆汁酸処理に対する生存性はL. intestinalisよりも非常に強かった. さらにいずれの腸管組織中より分離したL. reuteriも0.5%胆汁酸存在下で生育可能であったが, 同様に分離したほとんど全てのL. intestinadisは0.1%胆汁酸存在下でも生育しなかった. 以上の結果より今回得られたマウス常在性乳酸菌種はストレス耐性の強弱にかかわらず, 生育環境のことなる腸管内のどの部位においても定着できる能力をもつことが示唆された.
ISSN:1343-0882