日本の養鶏場から分離されたサルモネラ・エンテリティディス分離株におけるサルモネラの病原性関連因子SEp22(Dps)の発現と分解

養鶏場から分離したサルモネラエンテリティディス(SE)から, 病原性関連因子SEp22を分離して解析した. SEp22は最近, サルモネラのDpsであることが同定された. 病原性の標準株SEC1#15-1株と比べ, SEp22のmRNAおよびタンパク質の発現が著しく低下した非病原性分離株においても, sep22遺伝子に全く差が認められなかったことから, SEp22の発現は転写調節を受けていることが示された. さらに, 病原性株におけるSEp22の発現は細菌の増殖に依存し, 対数増殖期で低下, 対数増殖期後期から静止期に増加した. この増殖依存性の変化はSEp22のmRNAやσ38の変化よりも少...

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Veröffentlicht in:腸内細菌学雑誌 2006, Vol.20 (1), p.55-55
Hauptverfasser: 寺井志織, 山崎学, 五十君静信, 天野富美夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:養鶏場から分離したサルモネラエンテリティディス(SE)から, 病原性関連因子SEp22を分離して解析した. SEp22は最近, サルモネラのDpsであることが同定された. 病原性の標準株SEC1#15-1株と比べ, SEp22のmRNAおよびタンパク質の発現が著しく低下した非病原性分離株においても, sep22遺伝子に全く差が認められなかったことから, SEp22の発現は転写調節を受けていることが示された. さらに, 病原性株におけるSEp22の発現は細菌の増殖に依存し, 対数増殖期で低下, 対数増殖期後期から静止期に増加した. この増殖依存性の変化はSEp22のmRNAやσ38の変化よりも少し遅れて観察されたことから, SEp22の発現はRNAポリメラーゼのσ38による活性変化を介した転写調節を受けることが示唆された. また, 静止期で高レベルに発現しているSEp22は, 新鮮な培地中で細菌を培養すると速やかに減少した. この過程は細菌の培養時における密度および培養温度と時間に依存したことから, 増殖している菌体内で起こるタンパク質分解によると思われる.
ISSN:1343-0882