YP97ヨーグルトのヒト便通,便性および糞便内菌叢に及ぼす影響(II)
「要 旨」健常な19~25歳の女性58名を対象に, YP97ヨーグルトの便通および便性に及ぼす影響について調べた. またその中の8名を対象に糞便内菌叢, 短鎖脂肪酸, アンモニア含量, pHおよび水分について調べた. 被験者を2群に分け, YP97ヨーグルト115g/日, プラセボヨーグルト115g/日を各2週間ずつ摂取させ, また各摂取期の間に2週間の休止期を置き, 全8週間のクロスオーバー試験を実施した. YP97ヨーグルト摂取期において, 便秘傾向者の排便回数は摂取前, 休止期およびプラセボ摂取期に対して有意に増加し, Bifidobacteriumはプラセボ摂取期に対して有意に増加し,...
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Veröffentlicht in: | 腸内細菌学雑誌 2003, Vol.17 (1), p.27-34 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要 旨」健常な19~25歳の女性58名を対象に, YP97ヨーグルトの便通および便性に及ぼす影響について調べた. またその中の8名を対象に糞便内菌叢, 短鎖脂肪酸, アンモニア含量, pHおよび水分について調べた. 被験者を2群に分け, YP97ヨーグルト115g/日, プラセボヨーグルト115g/日を各2週間ずつ摂取させ, また各摂取期の間に2週間の休止期を置き, 全8週間のクロスオーバー試験を実施した. YP97ヨーグルト摂取期において, 便秘傾向者の排便回数は摂取前, 休止期およびプラセボ摂取期に対して有意に増加し, Bifidobacteriumはプラセボ摂取期に対して有意に増加し, レシチナーゼ陽性Clostridiumは摂取前に対して減少傾向を示した. また, YP97ヨーグルト摂取期において, 総菌数に対するBifidobacteriumの占有率は摂取前, 休止期およびプラセボ摂取期に対して有意に増加し, 糞便中のアンモニア含量は休止期およびプラセボ摂取期に対して有意に減少し, 糞便pHは摂取前および休止期に対して有意に低下した. 以上の結果よりYP97ヨーグルトの摂取は便通や腸内菌叢の改善に有効であることが示唆された. ヒトの腸内には100兆, 100種におよぶ細菌が生息し, 腸内菌叢を構成している(13). これらの細菌は, 摂取された食物や消化管に分泌された生体成分を栄養素として絶えず増殖しては排泄され, 宿主の健康ときわめて密接に関係している(11). Mitsuoka(12)は, 人の健康にとって腸内細菌叢の役割やその改善が大切で, 特にビフィズス菌の優勢と維持が重要であると報告している(5). プロバイオティクスは経口摂取されて腸内細菌叢の生態と機能のバランスを修飾して, 健康の増進維持と回復に役立つものであり(2), 生菌剤やヨーグルトなどの発酵飲料などが含まれる. これらの製品は有用な腸内菌と生体機能の活性化, すなわち腸内有害菌を抑制し, 腸内腐敗を抑えるなどの整腸作用が報告されている(13). プロバイオティクスは経口摂取されて腸内細菌叢の生態と機能のバランスを修飾して, 健康の増進維持と回復に役立つものであり(2), 生菌剤やヨーグルトなどの発酵飲料などが含まれる. |
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ISSN: | 1343-0882 |