ラットにおける腸管内微生物の代謝およびcarcinogenに誘導されるaberrant crypt fociへのBifidobacterium longumおよびイヌリンの影響

発がん物質azoxymethane(AOM)により誘導される腸管内aberrant crypt foci(ACF)に対するBifidobacterium longum(4×10 8/(食餌)g)およびイヌリン誘導体(raftiline HP, 5%w/w in diet)の影響について研究した. B. longumあるいはイヌリンの摂取は, AOM誘導による小さなACF(即ち1~3個のACが包含されているもの)の減少と関連していた(それぞれ26%および41%減少). ビフィズス菌とイヌリンの同時摂取は, それぞれの単独摂取以上にACFの阻害効果を示し, 小さなACFの80%を阻害した. 更に,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:腸内細菌学雑誌 1999, Vol.12 (2), p.127-127
Hauptverfasser: Rowland IR, Rumney CJ, Coutts JT, Lievense LC
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:発がん物質azoxymethane(AOM)により誘導される腸管内aberrant crypt foci(ACF)に対するBifidobacterium longum(4×10 8/(食餌)g)およびイヌリン誘導体(raftiline HP, 5%w/w in diet)の影響について研究した. B. longumあるいはイヌリンの摂取は, AOM誘導による小さなACF(即ち1~3個のACが包含されているもの)の減少と関連していた(それぞれ26%および41%減少). ビフィズス菌とイヌリンの同時摂取は, それぞれの単独摂取以上にACFの阻害効果を示し, 小さなACFの80%を阻害した. 更に, 両物質の同時摂取は最終的に腫瘍発生の前兆と考えられている大きなACF(4AC以上)の発生率を大きく減少(59%)させた. 両物質の投与は, 発がん物質投与後1週間後から開始したことから, これらの結果はB. longumおよびイヌリンが発がんプロセスの誘導期初期に対して効果がある可能性を示唆している. また, B. longumおよびイヌリンの単独および同時投与は, 糞便中のβ-glucuronidase活性およびアンモニア濃度を減少させた. 一方, イヌリンを含んだ食餌(B. longumを含んでも含まなくても)を食したラットにおいては, 糞便量とβ-glucosidase活性が増加し, 糞便pHは低下していた. この結果はB. longumやイヌリンの投与が, 腸管内の腫瘍発生リスクや発がん前の障害に関係する糞便の生化学的性状や細菌学的な代謝活性を良好な方向に変化させていることを示唆している. また, 本試験ではビフィズス菌とイヌリンの両因子を同時に投与することが, 腸管内の障害にとってより有効であることが示された.
ISSN:1343-0882