酪酸塩はインターロイキン(IL)-1βとリポ多糖に反応する腸管上皮細胞によるIL-8分泌を増進する
腸管上皮(Caco-2)細胞はIL-1βで刺激するとIL-8を分泌するが, リポ多糖では分泌しない. 酪酸塩は腸内細菌によって腸管内物質が代謝されることによって産生される短鎖脂肪酸である. なぜなら酪酸塩濃度は腸内細菌による産生量に比例している. 酪酸塩がIL-1βとリポ多糖の刺激に反応する腸管上皮細胞によるIL-8の分泌を変えるという仮説をこれまで提示してきた. Caco-2細胞を酪酸ナトリウムの濃度を変化させたり(0~20mM), リポ多糖とIL-1で刺激する前に24時間培養した. IL-8の分泌はELISAによって24時間以上測定した. IL-8mRNAの蓄積はノーザンブロットを用いて検...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 腸内細菌学雑誌 1999, Vol.12 (2), p.119-119 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 腸管上皮(Caco-2)細胞はIL-1βで刺激するとIL-8を分泌するが, リポ多糖では分泌しない. 酪酸塩は腸内細菌によって腸管内物質が代謝されることによって産生される短鎖脂肪酸である. なぜなら酪酸塩濃度は腸内細菌による産生量に比例している. 酪酸塩がIL-1βとリポ多糖の刺激に反応する腸管上皮細胞によるIL-8の分泌を変えるという仮説をこれまで提示してきた. Caco-2細胞を酪酸ナトリウムの濃度を変化させたり(0~20mM), リポ多糖とIL-1で刺激する前に24時間培養した. IL-8の分泌はELISAによって24時間以上測定した. IL-8mRNAの蓄積はノーザンブロットを用いて検出した. リポ多糖はCaco-2細胞を酪酸ナトリウムと一緒に培養した後のみ, IL-8の分泌を誘導した. さらに, 酪酸塩はIL-1βで刺激された細胞によるIL-8の分泌をかなり増進した. また, 酪酸塩は刺激されたCaco-2細胞中のIL-8mRNA蓄積量を増大した. つまり, 腸管上皮細胞は酪酸塩によって, リポ多糖と炎症前サイトカインによって活性化されることを促進された. このことは腸管上皮細胞は腸内環境の変化による腸管炎症を調節しているというメカニズムを表しているかもしれない. |
---|---|
ISSN: | 1343-0882 |