慢性腎不全患者に対するフラクトオリゴ糖の投与とその臨床的有用性: 腸内細菌叢の変動を中心として
腸内ビフィズス菌の増殖因子であるフラクトオリゴ糖を3カ月間, 慢性腎不全患者9例に投与し, 腸内細菌叢, 腸内腐敗物質, 臨床検査値および便通の変化につき検討した.途中で服用を中止した1例を除いて腸内ビフィズス菌の量は増加した.また, 乳酸菌群に属するStreptococcusやLactobacillus菌量も増加した.腸内腐敗生産物のうち, フェノールは変化しなかったが, インドール, スカトール, パラクレゾールは有意に低下した.腸内腐敗細菌であり, 有害性を持つといわれるClostridiumも減少した.血中トリグリセライドの減少が認められ, 投与前値と減少幅との間に強い逆相関がみられた...
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Veröffentlicht in: | ビフィズス 1996, Vol.9(2), pp.141-150 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 腸内ビフィズス菌の増殖因子であるフラクトオリゴ糖を3カ月間, 慢性腎不全患者9例に投与し, 腸内細菌叢, 腸内腐敗物質, 臨床検査値および便通の変化につき検討した.途中で服用を中止した1例を除いて腸内ビフィズス菌の量は増加した.また, 乳酸菌群に属するStreptococcusやLactobacillus菌量も増加した.腸内腐敗生産物のうち, フェノールは変化しなかったが, インドール, スカトール, パラクレゾールは有意に低下した.腸内腐敗細菌であり, 有害性を持つといわれるClostridiumも減少した.血中トリグリセライドの減少が認められ, 投与前値と減少幅との間に強い逆相関がみられた (r=-0.8376).また, 血中総コレステロールを減少させる傾向があり, その際にHDL-コレステロールを減少させないという特色がみられた.便秘に対する効果は, 7例 (77.8%) で認められた.副作用は認められなかった |
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ISSN: | 0914-2509 1884-5134 |
DOI: | 10.11209/jim1987.9.141 |