造影剤の副作用発現に及ぼすDomperidone, Etizolamおよび電解質補液の予防効果
「緒言」1980年代後半より, 非イオン性低浸透圧造影剤が日常臨床に導入され, 90年代には本邦において, 水溶性ヨード造影剤使用量のほとんどを占めるに至っている. この非イオン性造影剤の普及により種々の副作用が軽減され, 造影剤がより安全に使用できるようになってきた1-3). またその一方で, 各種画像診断技術の急速な進歩に伴い, 冠動脈疾患を含む各種疾患に対して, 非イオン性ヨード造影剤の使用頻度, ならびに使用量は年々増加してきている. 特に, 冠動脈疾患においては, coronary interventional angiographyの確立により, 単に診断目的のみでなく, 治療目的...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 2000/12/10, Vol.26(6), pp.592-600 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」1980年代後半より, 非イオン性低浸透圧造影剤が日常臨床に導入され, 90年代には本邦において, 水溶性ヨード造影剤使用量のほとんどを占めるに至っている. この非イオン性造影剤の普及により種々の副作用が軽減され, 造影剤がより安全に使用できるようになってきた1-3). またその一方で, 各種画像診断技術の急速な進歩に伴い, 冠動脈疾患を含む各種疾患に対して, 非イオン性ヨード造影剤の使用頻度, ならびに使用量は年々増加してきている. 特に, 冠動脈疾患においては, coronary interventional angiographyの確立により, 単に診断目的のみでなく, 治療目的にも積極的に使用されるようになり, X線造影法の重要性がますます高くなってきている. しかしながら, 造影剤の臨床での使用においては, 今日に至っても数多くの副作用または事故が依然として発現しており4-7), 検査以前における副作用予測, ならびに副作用予防対策に対して多くの関心が示されている8-11). そして, 造影剤の幅広い臨床経験と研究の結果, 近年, 造影剤の副作用発現における種々の危険因子の有無が, その発現率に大きく影響することも知られてきている1, 12, 13). 当院循環器内科における冠動脈造影(coronary angiography以下, CAGと略す)検査においても, 1995年より造影剤モニタリングを全症例に実施し, 腎機能低下(SCr1.5mg/mL以上), 造影剤の副作用歴および女性特有の更年期(特に, 閉経後5年未満)が, 造影剤による副作用の発現率を増加させる危険因子と考えられることをすでに報告した14). |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.592 |