院内結核感染対策における病院薬剤師の取り組み: 一般病院職員におけるツベルクリン反応の実態調査
「緒言」近年, 本邦における結核の院内感染や集団感染の報告が相次いでおり, その対策の見直しが急務となっている. 厚生省が, 平成11年10月に公式なガイドラインを示したことは各医療機関で承知するところである1). このガイドライン策定が遅れていた理由の一つとして, 結核発症予防としてのBCG再接種の有効性に対する見解が世界的に見ても一致していないことがあげられる2). 厚生省では現在, BCGの効果を裏付ける科学的なデータを得るため, 平成11年4月より若年者看護婦を対象とした大規模な臨床研究を開始している. 一方, 当院の感染対策委員会では, 厚生省のガイドラインが策定される以前の平成10...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 病院薬学 2000/10/10, Vol.26(5), pp.524-531 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」近年, 本邦における結核の院内感染や集団感染の報告が相次いでおり, その対策の見直しが急務となっている. 厚生省が, 平成11年10月に公式なガイドラインを示したことは各医療機関で承知するところである1). このガイドライン策定が遅れていた理由の一つとして, 結核発症予防としてのBCG再接種の有効性に対する見解が世界的に見ても一致していないことがあげられる2). 厚生省では現在, BCGの効果を裏付ける科学的なデータを得るため, 平成11年4月より若年者看護婦を対象とした大規模な臨床研究を開始している. 一方, 当院の感染対策委員会では, 厚生省のガイドラインが策定される以前の平成10年7月から一般病院として, 独自の結核感染防止対策ガイドライン(Table1)を作成し, これを遵守してきた. また, 当薬剤部は, 従来より各種感染症に対するガイドラインの作成を行い, 院内感染対策の中核を担ってきた. ガイドライン作成の目的は, 消毒剤, 抗生物質等の適正使用を推進するだけでなく, 職員への周知あるいは資質の向上を図ることにより, 院内感染を防止することにある. このように, 著者らは, 院内感染対策を病院薬剤師が職能を活かして関わるべき業務の一つと考えている. 結核病床をもつ病院では, 感染対策の一環として職員のツベルクリン反応(以下, ツ反と略す)を調査した報告は多いが, 一般病院での調査報告はほとんどない. 今回, 当院では本ガイドラインに基づき, 職員の結核感染の有無を把握し, その結果を今後の院内感染対策に役立てる目的で, 二段階によるツ反, およびBCG接種を実施した. |
---|---|
ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.524 |