TDMによる服薬指導: 小児てんかん患者の服薬上の問題点とその改善
「緒言」TDM(Therapeutic Drug Monitoring)を医師が行う処方設計のデータとして捉えるだけではなく, 薬剤師が, 薬剤師独自の責任領域となりつつある服薬指導のデータとしてみずから活用することにより, チーム医療における新たな薬剤師の責任領域が確立されてくる. 特に, 医療従事者の監視下から離れて行われている外来患者の服薬では, 思わぬ服薬上の問題点が存在することもあり, TDMによる服薬指導により, それを解明し改善に導くことは, チーム医療における薬剤師の使命の一つといえる. われわれは, 昭和56年から神奈川県衛生看護専門学校付属病院小児神経外来受診患者を対象にT...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 2000, Vol.26(3), pp.280-286 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」TDM(Therapeutic Drug Monitoring)を医師が行う処方設計のデータとして捉えるだけではなく, 薬剤師が, 薬剤師独自の責任領域となりつつある服薬指導のデータとしてみずから活用することにより, チーム医療における新たな薬剤師の責任領域が確立されてくる. 特に, 医療従事者の監視下から離れて行われている外来患者の服薬では, 思わぬ服薬上の問題点が存在することもあり, TDMによる服薬指導により, それを解明し改善に導くことは, チーム医療における薬剤師の使命の一つといえる. われわれは, 昭和56年から神奈川県衛生看護専門学校付属病院小児神経外来受診患者を対象にTDMを実施してきたことにより, 血中濃度からみてほとんど服薬していないなどの明らかな服薬不履行は, Fig. 1に示したとおり, 年々減少しており, 平成5年からは, 1症例もみられていない. 今回われわれは, 血中濃度から判断して, 服薬は行われているものの, 測定毎のTDM解析データから服薬上の問題点の存在が考えられた2症例を経験し, 患者の保護者に服薬指導を実施することより, その問題点を解明し改善に導いたので報告する. 対象と方法 TDMの依頼を受けた当院小児神経外来を受診した患者を対象として, 樋口らの開発した解析ソフトPEDA1, 2)を用いて, 1ポイントの測定値からベイジアン法による患者パラメータの推定を行った.各々のグラフは, 定常状態におけるトラフ値から72時間までの血中濃度推移を表したものである. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.280 |