悪性骨肉腫患者におけるメトトレキサート療法時の血中動態と副作用の発現
「緒言」メトトレキサート大量(HD-MTX)療法は骨肉腫, 急性白血病, 悪性リンパ腫等に有効な治療法である1, 2). 骨肉腫に対するHD-MTX療法は主に, 潜在的微小肺転移を含めた肺転移巣に対するadjuvant chemotherapyおよび治療を目的として用いられている3). しかしながら, 本療法は重篤な副作用を発現する可能性が高く, これを回避する目的でロイコボリンの救援開始時期および投与量について種々の指標が報告され, 現在では本療法を安全に推し進めることが可能となっている4-6). MTXの低用量(10mg/kg以下の投与量)ではほとんどが未変化体として尿中に排泄されるが,...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 2000, Vol.26(1), pp.116-122 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」メトトレキサート大量(HD-MTX)療法は骨肉腫, 急性白血病, 悪性リンパ腫等に有効な治療法である1, 2). 骨肉腫に対するHD-MTX療法は主に, 潜在的微小肺転移を含めた肺転移巣に対するadjuvant chemotherapyおよび治療を目的として用いられている3). しかしながら, 本療法は重篤な副作用を発現する可能性が高く, これを回避する目的でロイコボリンの救援開始時期および投与量について種々の指標が報告され, 現在では本療法を安全に推し進めることが可能となっている4-6). MTXの低用量(10mg/kg以下の投与量)ではほとんどが未変化体として尿中に排泄されるが, それ以上の高用量(10mg/kg以上の投与量)では一部肝臓で代謝されることから3), 腎機能および肝機能は副作用発現と関連して重要である7). われわれは, 血液疾患患者を対象としてHD-MTX療法が腎機能や肝機能に影響を及ぼすことをすでに明らかにした8). しかし, 投与量による体内動態の変化およびそれに伴う臨床毒性への影響についての情報は少ない. 本研究では, 当院整形外科においてHD-MTX療法を受けた悪性骨肉腫患者を対象として, 血中動態と副作用の発現に及ぼす投与量の影響ついて検討した. 実験の部 1. 患者1990年2月から1996年7月までに広島大学医学部附属病院整形外科においてHD-MTX療法を施行された骨肉腫患者20名(男8名, 女12名)の延べ63例を対象とした. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.116 |