Benzodiazepine受容体アゴニストの行動薬理学的検討
「緒言」benzodiazepine receptor agonists(BZ-RAs)はbarbiturate系催眠薬と異なり, 通常, 視床下部や脳幹網様体に対する直接作用は少ないので意識や高次脳機能への影響が少ない. 薬物依存や耐性が起こりにくく, また, 作用部位のbenzodiazepine(BZ)受容体への結合が飽和状態になると, それ以上脳に作用することはない. また, 大脳辺縁系などの情動中枢に選択的に作用し, 延髄の呼吸中枢にほとんど作用しないため, 過量服用の際にも死亡する危険性は少ない1). しかしながら, 臨床成績が多くなるに従い, さまざまな有害反応が出現することが報...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 病院薬学 2000, Vol.26(1), pp.44-51 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」benzodiazepine receptor agonists(BZ-RAs)はbarbiturate系催眠薬と異なり, 通常, 視床下部や脳幹網様体に対する直接作用は少ないので意識や高次脳機能への影響が少ない. 薬物依存や耐性が起こりにくく, また, 作用部位のbenzodiazepine(BZ)受容体への結合が飽和状態になると, それ以上脳に作用することはない. また, 大脳辺縁系などの情動中枢に選択的に作用し, 延髄の呼吸中枢にほとんど作用しないため, 過量服用の際にも死亡する危険性は少ない1). しかしながら, 臨床成績が多くなるに従い, さまざまな有害反応が出現することが報告されている2). 例えば, 精神症状としで), 健忘, 錯乱, せん妄, 幻覚, 末梢症状として4), 口渇, 悪心, 呼吸抑制および倦怠感や脱力感等の骨格筋の異常を呈する. BZ-RAsの中でtriazolam(TZ)のような短時間作用型の催眠薬は幻覚やせん妄等の精神症状を発現しやすく, それらの症状は連用または連用中の急激な減量ないし中止によって一層増悪する3, 5, 6). このように, BZ-RAsは当初, 安全性の高い催眠薬として使用されていたが, 今日では特に, 精神神経症状の有害作用が高頻度にみられ, 薬物乱用を含めると社会問題にまで発展しつつある. これらのBZ-RAsの諸問題を解決するためにはその有害作用の発現機序を明らかにする必要がある. そこで, われわれは, 現在繁用されているTZ, estazolam(ES)およびzopiclone(ZP)を選び, それら三薬剤の薬理学的全貌を明確にすることを初期の検討課題とした. すなわち, マウスを用い各薬剤を急性投与した場合の一般症状をIrwinの評価法を用いて観察することにより, BZ-RAsの行動的, 神経学的および自律神経プロフィールを分析した. |
---|---|
ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.26.44 |