腸溶性コーティング錠剤の先発品と後発品の製剤学的同等性の検討
「緒言」同一成分でありながら, 賦形剤, 製法などの製剤学的な違いによって製品間において, 生物学的利用率が異なり, 効果に差がある製剤があることがこれまでにも報告されている1, 2). そのため, 近年, 後発医薬品の申請時には先発医薬品との生物学的同等性の資料の添付が義務づけられている3, 4). しかし, これらの生物学的同等性試験は原則的に健康成人において実施されており4), 特に腸溶性コーティング製剤では, 消化器系疾患を合併している患者, そして高齢者などでは, その体内動態が製品間で異なる可能性が考えられ, 薬力学的効果にも影響する可能性がある. Propentofyllineは...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 病院薬学 1999/08/10, Vol.25(4), pp.450-459 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」同一成分でありながら, 賦形剤, 製法などの製剤学的な違いによって製品間において, 生物学的利用率が異なり, 効果に差がある製剤があることがこれまでにも報告されている1, 2). そのため, 近年, 後発医薬品の申請時には先発医薬品との生物学的同等性の資料の添付が義務づけられている3, 4). しかし, これらの生物学的同等性試験は原則的に健康成人において実施されており4), 特に腸溶性コーティング製剤では, 消化器系疾患を合併している患者, そして高齢者などでは, その体内動態が製品間で異なる可能性が考えられ, 薬力学的効果にも影響する可能性がある. Propentofyllineはキサンチン誘導体であり, 胃障害軽減のために腸溶性フィルムコーティングを施した錠剤である. その後発品の申請には先発品との生物学的同等性を示す資料を添付しているが, 先発品と後発3製品の体内動態を示す最高血中濃度(CMAX)および最高血中濃度到達時間(TMAx)は, 各メーカーの添付文書記載データより比較すると, Table1に示すように, 特にTMAXの違いが大きい. 後発品の体内動態についてはすべて社内資料のため詳細は不明であるが, 腸溶性製剤は食事等の影響を受けやすく, 胃内pH, 滞留時間に個人差が大きい医薬品があることはすでに報告されている5). 消化管機能の低下している高齢者6, 7)や, H2ブロッカーや制酸剤と併用することによって, 胃内のpHが中性側に変動したときに製品によって胃内での挙動が異なってくる可能性が考えられる. |
---|---|
ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.25.450 |