迅速定量法 (FPIA法) による急性ベンゾジアゼピン系薬物中毒における体内動態予測

「緒言」急性薬物中毒の治療において, その原因物質を究明し, さらに以後の薬物動態を予測することは治療方針決定の重要な要因となる1-3). 今日, 医薬品に関するデータは豊富であり, その薬物動態パラメータを検索することも可能である1-3). しかし, それらのデータのほとんどは通常の治療濃度域でのものであり, 服用量が著しく多い急性薬物中毒時のものはなく, その場合の薬物消失予測方法の報告もほとんど見当たらない. そこで急性ベンゾジアゼピン系薬物中毒患者の至適治療方法を確立することを目的として, 血中濃度を経時的に測定し, 急性薬物中毒時の初期における消失速度定数を求め, 実測値と消失速度定...

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Veröffentlicht in:病院薬学 1998/08/10, Vol.24(4), pp.349-356
Hauptverfasser: 平田, 清貴, 松本, 宜明, 黒川, 顕, 猪熊, 朋子, 松本, 光雄, 村田, 正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」急性薬物中毒の治療において, その原因物質を究明し, さらに以後の薬物動態を予測することは治療方針決定の重要な要因となる1-3). 今日, 医薬品に関するデータは豊富であり, その薬物動態パラメータを検索することも可能である1-3). しかし, それらのデータのほとんどは通常の治療濃度域でのものであり, 服用量が著しく多い急性薬物中毒時のものはなく, その場合の薬物消失予測方法の報告もほとんど見当たらない. そこで急性ベンゾジアゼピン系薬物中毒患者の至適治療方法を確立することを目的として, 血中濃度を経時的に測定し, 急性薬物中毒時の初期における消失速度定数を求め, 実測値と消失速度定数から求めた予測値を比較し, 消失と血液浄化法との関係を検討した. 血中ベンゾジアゼピン系薬物濃度を迅速に測定するために蛍光偏光免疫測定法(FPIA法)を用い, ノモグラムを作成した. また高速液体クロマトグラフィー(HPLC法)により定性確認を行った. 実験の部 1. 試料 ライフォチェックドラッグフリー血清はBioRad社より供与された. トリアゾラム原末は日本アップジョンより提供を受けた. また, ニトラゼパム原末は東洋醸造の製品を, その他の試薬は市販特級品を用いた. 2. 分析方法 FPIA法にて定量し, 定性確認の方法としてHPLC法を併用した. FPIA法による測定は, ベンゾジアゼピン系薬物に交差反応性を持つ5)血清中ベンゾジアゼピン測定試薬とTDxアナライザー(ダイナボット社)を用いて行った.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.24.349