Angiotensin変換酵素阻害薬による貧血の発現と腎機能との関連
「緒言」Angiotensin変換酵素阻害薬(ACEI)は現在降圧剤の第一選択薬として広く使用されており, 最近では, 肝排泄型を含め数多くのプロドラッグが開発され, ますます使用の幅が広がってきている. また本剤は種々の臨床的特徴を有し, なかでも腎保護, 心保護作用があることや動脈硬化を予防改善する可能性を示唆する成績1, 2)もみられその評価は高い. 安全性の面においては依然としてブラジキニンの増強によると思われる空咳がSH基の有無にかかわらず見られるが, 血行動態, あるいは代謝系, 性機能への影響は少なく, 他の降圧剤に比べ優れた点も多い. しかしその長期使用において, 透析患者では...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 1998/06/10, Vol.24(3), pp.229-236 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」Angiotensin変換酵素阻害薬(ACEI)は現在降圧剤の第一選択薬として広く使用されており, 最近では, 肝排泄型を含め数多くのプロドラッグが開発され, ますます使用の幅が広がってきている. また本剤は種々の臨床的特徴を有し, なかでも腎保護, 心保護作用があることや動脈硬化を予防改善する可能性を示唆する成績1, 2)もみられその評価は高い. 安全性の面においては依然としてブラジキニンの増強によると思われる空咳がSH基の有無にかかわらず見られるが, 血行動態, あるいは代謝系, 性機能への影響は少なく, 他の降圧剤に比べ優れた点も多い. しかしその長期使用において, 透析患者では貧血を増悪する可能性があると指摘されているが3, 4), 腎機能正常例におけるACEIによる貧血出現についてはよく分かっていない. 我々はFig. 1に示すように, 血清クレアチニン(S-Cr)が正常でありながらACEI投与中血色素量(Hb), ヘマトクリット(Ht)の低下をみた一例を経験した. そこで今回我々はretrospectiveにACEIの貧血への影響について腎機能別に検討を行った. 対象方法 当院第一内科(腎臓内科, 消化器内科, 神経内科)において1994年から1995年の2年間にACEIを投与開始した患者を処方データベースより抽出した. これらの患者(111例)について薬歴と検査歴をそれぞれ1996年12月, 1997年1月まで調査し, ACEIを1年以上投与している患者で, 投与前後において血液検査を受け, かつ赤血球指数(MCV, MCH, MCHC)の変動のない47例(男性18例, 女性29例)を対象患者とした. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.24.229 |