小児てんかん患者に対する服薬指導の検討 (III): バルプロ酸各種製剤の処方動向
「緒言」著者らは当病院小児病棟において, 小児てんかん患者を中心に薬剤管理指導業務のもとに服薬指導を行っている. 対象となる小児てんかん患者の多くは乳幼児が中心であり, また疾患の性質上治療薬剤の服用は長期間に及んでいる. 抗てんかん薬の多くは錠剤および散剤で, 小児を対象としたシロップ等の剤形が開発市販されている薬剤は少ないのが現状である. 著者らは, 服薬指導内容の解析結果を報告1, 2)してきた. これら報告の中で, 小児てんかん患者のコンプライアンスを左右する要因の一つとして, 処方時の剤形選択について問題提起してきた. 一方, バルプロ酸(VPA)は抗てんかん作用の広い治療スペクトラ...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 1998, Vol.24(1), pp.33-38 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」著者らは当病院小児病棟において, 小児てんかん患者を中心に薬剤管理指導業務のもとに服薬指導を行っている. 対象となる小児てんかん患者の多くは乳幼児が中心であり, また疾患の性質上治療薬剤の服用は長期間に及んでいる. 抗てんかん薬の多くは錠剤および散剤で, 小児を対象としたシロップ等の剤形が開発市販されている薬剤は少ないのが現状である. 著者らは, 服薬指導内容の解析結果を報告1, 2)してきた. これら報告の中で, 小児てんかん患者のコンプライアンスを左右する要因の一つとして, 処方時の剤形選択について問題提起してきた. 一方, バルプロ酸(VPA)は抗てんかん作用の広い治療スペクトラムを有する3-7)ことから抗てんかん薬の中で繁用されている. さらに各種剤形が開発されているが, その有用性について検討した報告はみあたらない. そこで本報では, 当院小児神経科に入院加療中のてんかん患者およびその家族に対して行った服薬指導記録を基に, VPAの剤形選択が小児患者の薬剤服用時のquality of life(QOL)との関連について服薬指導内容を混じえて検討した. 調査方法 1. 対象患者 当大学医学部附属病院小児神経科(10床)において平成5年10月から平成7年6月末までの21ヵ月間に入院し, VPAによる治療を受けた患者53人を対象とした. 患者の診断名は早期乳児てんかん性脳症, ウエスト症候群, レノックスガストー症候群, 小児重症ミオクロニーてんかん, 症候性部分てんかん等で, その多くが難治性てんかん患者であった. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.24.33 |