持続性塩酸オキシブチニン膀胱内注入液の製剤化とその評価
「緒言」尿失禁に対する保存的治療では頻尿改善剤などの経口投与が主に行われているが, 難治性尿失禁では必ずしも有効でなく, 全身的な抗コリン作用による口渇, 便秘, 羞明感などのため投与量を制限せざるを得ない場合もある. また神経因性膀胱において間歇自己導尿法が確立されてから尿路管理は飛躍的に進歩してきたが, 間歇導尿を行っても尿失禁を認める例も存在する. このような実情から頻尿改善剤の全身的な副作用を軽減させ, 膀胱平滑筋への直接作用を期待して膀胱内に薬物を直接注入する方法が試みられるようになってきた. 塩酸オキシブチニン(OB)の膀胱内注入療法は1989年にBrendlerら1)が報告して以...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 1997, Vol.23(4), pp.297-304 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」尿失禁に対する保存的治療では頻尿改善剤などの経口投与が主に行われているが, 難治性尿失禁では必ずしも有効でなく, 全身的な抗コリン作用による口渇, 便秘, 羞明感などのため投与量を制限せざるを得ない場合もある. また神経因性膀胱において間歇自己導尿法が確立されてから尿路管理は飛躍的に進歩してきたが, 間歇導尿を行っても尿失禁を認める例も存在する. このような実情から頻尿改善剤の全身的な副作用を軽減させ, 膀胱平滑筋への直接作用を期待して膀胱内に薬物を直接注入する方法が試みられるようになってきた. 塩酸オキシブチニン(OB)の膀胱内注入療法は1989年にBrendlerら1)が報告して以来, その有効性が評価されてきた2-6). 我々も難治性尿失禁に対するOB膀胱内注入液(OB液)を錠剤から製剤化し7), その臨床的有用性を報告してきた8, 9). 本療法は長期投与においても有効性が確認され10), また膀胱内注入後の血中濃度の検討からOBの作用機序として膀胱壁に対する直接の収縮抑制作用が推察された11). しかし, 作用持続時間が比較的短いことが問題点として上げられる. そこで本研究では持続性製剤の開発を目的とし, 増粘剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用いた粘性を有するOB膀胱内注入液(HPC-OB液)の製剤化とその評価を行った. 実験の部 1. 試料 OBはシグマ社より, HPC(150-400cps)は東京化成工業(株)より購入した. その他の試薬は市販特級品あるいは局方品をそのまま使用した. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.23.297 |