気管内吸引カテーテル用消毒液の細菌汚染と消毒剤の殺菌効果

「緒言」 手術後あるいは意識障害を有する患者に気管切開術が施行された場合, カテーテルにより気管内の吸引が行われる. 気管内吸引に使用するカテーテルは滅菌済みのものをその都度用いることが望ましく, またカテーテルの消毒液も繰り返し使用しないことが望ましいとされている1). しかし, 本院病棟では気管内吸引用のカテーテルは消毒液に浸漬したものが再使用されている. すなわち, 使用後のカテーテルの表面をガーゼによって拭き取り, さらにベッドサイドの万能缶中の消毒液により吸引洗浄した後, 別の万能缶中の消毒液に浸漬して次回使用時まで保管されている. それらの消毒液としてはほとんどの病棟において0....

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Veröffentlicht in:病院薬学 1994/02/20, Vol.20(1), pp.97-102
Hauptverfasser: 岩井, 紀代身, 山添, 喜久雄, 堀内, 正, 森, 充弘, 加藤, 直樹, 上野, 一恵, 渡邊, 邦友, 片桐, 義博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 手術後あるいは意識障害を有する患者に気管切開術が施行された場合, カテーテルにより気管内の吸引が行われる. 気管内吸引に使用するカテーテルは滅菌済みのものをその都度用いることが望ましく, またカテーテルの消毒液も繰り返し使用しないことが望ましいとされている1). しかし, 本院病棟では気管内吸引用のカテーテルは消毒液に浸漬したものが再使用されている. すなわち, 使用後のカテーテルの表面をガーゼによって拭き取り, さらにベッドサイドの万能缶中の消毒液により吸引洗浄した後, 別の万能缶中の消毒液に浸漬して次回使用時まで保管されている. それらの消毒液としてはほとんどの病棟において0. .025%塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride;BAC)が用いられており, またその交換は24時間毎に行われている場合が多い. 最近, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)あるいはPseudomonas aeruginosaなどによる院内感染が問題となっており, これらのカテーテルが細菌汚染された場合には感染源と成り得る2-4)ため, 十分に注意する必要がある.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.20.97