フェニトイン, バルプロ酸, サリチル酸とセフピラミドのin vitro血清蛋白結合における相互作用
「緒言」 蛋白結合率の高い薬物同士の併用は, 結合部位での置換効果により相互作用を引き起こし, 臨床上の効果や治療上の安全性に影響することが多々報告されている. その際, 薬物がdisplacer(置換薬)の役割を果たすためには, 蛋白に対する親和性や濃度などが重要な要因となる1). 先に著者らは, 蛋白結合率の高い抗てんかん剤であるフェニトイン(PHT)とバルプロ酸(VPA)をin vitroで同時添加した場合, VPAの非結合率は治療濃度のPHT(20μg/ml)の添加によっては変化せず, 高濃度のPHT(200μg/ml)の添加により顕著に増加することを報告した2). このことから, 蛋...
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Veröffentlicht in: | 病院薬学 1993/08/20, Vol.19(4), pp.334-340 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 蛋白結合率の高い薬物同士の併用は, 結合部位での置換効果により相互作用を引き起こし, 臨床上の効果や治療上の安全性に影響することが多々報告されている. その際, 薬物がdisplacer(置換薬)の役割を果たすためには, 蛋白に対する親和性や濃度などが重要な要因となる1). 先に著者らは, 蛋白結合率の高い抗てんかん剤であるフェニトイン(PHT)とバルプロ酸(VPA)をin vitroで同時添加した場合, VPAの非結合率は治療濃度のPHT(20μg/ml)の添加によっては変化せず, 高濃度のPHT(200μg/ml)の添加により顕著に増加することを報告した2). このことから, 蛋白結合率が高く, しかも治療濃度の高い薬物がdisplacerとして併用薬の蛋白結合に影響を及ぼす可能性が大きいものと考えられた. そこで今回は, 治療濃度の高い薬物として感染症治療に繁用される注射用セフェム系抗生物質製剤に着目し, その中から蛋白結合率の特に高い(96.3%3))セフピラミド(CPM)を選び, それとPHT, VPAおよび蛋白結合率の高い解熱鎮痛剤であるサリチル酸(SA)との蛋白結合における相互作用を検討した. |
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ISSN: | 0389-9098 2185-9477 |
DOI: | 10.5649/jjphcs1975.19.334 |