錠剤粉砕によるプロピルチオウラシル散剤の含量均一性, 付着性および安定性

「緒言」 チオアミド系抗甲状腺薬プロピルチオウラシル(PTU)は, 甲状腺機能亢進症の治療に繁用され, その用量の決定には注意が必要であるとされている1, 2). PTUの市販剤形は錠剤で用量調節が必要な場合は粉砕し賦形剤を添加した粉砕散として投与されている3, 4). 当院においても粉砕投与が行われており処方件数は月平均約5件である. 錠剤粉砕散の場合, 含量均一性が添加賦形剤の種類によって異なり5), また分包紙への付着などによって含量低下をきたすこと6)が数種の薬剤で報告されている. PTU錠粉砕散においても, 製剤学的特性や, 粉砕後においてはその安定性を明らかにする必要がある. さら...

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Veröffentlicht in:病院薬学 1993/08/20, Vol.19(4), pp.328-333
Hauptverfasser: 川端, 奈緒美, 草瀬, 祐, 石村, 明彦, 長廻, 貞雄, 林原, 正和, 平野, 栄作, 岩本, 喜久生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 チオアミド系抗甲状腺薬プロピルチオウラシル(PTU)は, 甲状腺機能亢進症の治療に繁用され, その用量の決定には注意が必要であるとされている1, 2). PTUの市販剤形は錠剤で用量調節が必要な場合は粉砕し賦形剤を添加した粉砕散として投与されている3, 4). 当院においても粉砕投与が行われており処方件数は月平均約5件である. 錠剤粉砕散の場合, 含量均一性が添加賦形剤の種類によって異なり5), また分包紙への付着などによって含量低下をきたすこと6)が数種の薬剤で報告されている. PTU錠粉砕散においても, 製剤学的特性や, 粉砕後においてはその安定性を明らかにする必要がある. さらに, この薬剤は平成4年4月より90日間投与が認可されたことに伴い, 粉砕後の安定性が特に重要な問題である. そこで, PTU錠を粉砕し3種の賦形剤を用いて調製した散剤の含量均一性, 付着性および安定性について比較検討した. 実験方法 1. 試料および試薬 PTU錠はチウラジール錠(PTU50mg/115mg錠, 東京田辺製薬)を, 賦形剤としてEFC倍散用結晶乳糖(藤沢アストラ), 粉末乳糖(山善製薬), バレイショ殿粉(吉田製薬)を使用した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.19.328