抗生物質の効果比較のための新しい方法

「緒言」 多くの薬物の薬理学的作用の強さは, 一般に投与量よりは血中濃度とより密接な相関を有することが知られている. また濃度-効果曲線に関する実験も行われており, 血中濃度は単に中毒域を知る手段にとどまらず薬物効果の指標に拡張できると思われる. 薬剤投与後に得られる血中濃度域において濃度-効果曲線が直線性を示さない場合, すなわち濃度と効果の間に比例関係のない場合, 血中濃度曲線(time-concentration curve)と効果曲線(time-effect curve)は異なる形状となることが予想される. 一方, 抗生物質の効果比較の指標に最小発育阻止濃度(MIC)が用いられるが,...

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Veröffentlicht in:病院薬学 1993/06/20, Vol.19(3), pp.191-195
Hauptverfasser: 藤浦, 敏治, 北澤, 正康, 川添, 豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 多くの薬物の薬理学的作用の強さは, 一般に投与量よりは血中濃度とより密接な相関を有することが知られている. また濃度-効果曲線に関する実験も行われており, 血中濃度は単に中毒域を知る手段にとどまらず薬物効果の指標に拡張できると思われる. 薬剤投与後に得られる血中濃度域において濃度-効果曲線が直線性を示さない場合, すなわち濃度と効果の間に比例関係のない場合, 血中濃度曲線(time-concentration curve)と効果曲線(time-effect curve)は異なる形状となることが予想される. 一方, 抗生物質の効果比較の指標に最小発育阻止濃度(MIC)が用いられるが, 比較検討においてはMICと血中濃度からの比較が必要となる. 抗生物質の血中濃度曲線とMICの値から効果曲線を算出し, 抗生物質の効果について考察検討したので報告する. 方法 1. 効果曲線の作成 抗生物質のMIC値を示す濃度-効果曲線として感受性分布グラフを使用することとした.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.19.191