Intrathecal morphine exacerbates paresis with increasing muscle tone of hindlimbs in rats with mild thoracic spinal cord injury but without damage of lumbar α-motoneurons (モルヒネの髄腔内投与は, 軽度の胸髄損傷を伴うラットにおいて, 腰髄のα-運動ニューロンの損傷を伴わずに, 後肢の筋緊張の増加を伴う脊髄損傷後の不全麻痺を悪化させる)

(論文の内容の要旨) 【背景】脊髄損傷 (SCI) は損傷領域より尾側の脊髄に支配されている運動および体性感覚機能に障害を生じさせ, その多くの場合で歩行機能が低下し, 生活の質も大きく低下する. モルヒネやフェンタニルのようなオピオイド鎮痛薬は, SCIの急性疼痛の治療と脊椎外科手術のために広く使用されてきた. しかし, SCIラットモデルを用いた実験およびヒトでの臨床観察から, 鎮痛用量のモルヒネの髄腔内投与は, 脊髄虚血に伴うα-運動ニューロンの壊死と運動機能障害を悪化させることが示された. さらに, 中等度から重度の挫傷性SCIラットでは, 髄腔内モルヒネは脊髄損傷部位の病変サイズを増...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2023-12, Vol.71 (6), p.433-434
1. Verfasser: 川上勝弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(論文の内容の要旨) 【背景】脊髄損傷 (SCI) は損傷領域より尾側の脊髄に支配されている運動および体性感覚機能に障害を生じさせ, その多くの場合で歩行機能が低下し, 生活の質も大きく低下する. モルヒネやフェンタニルのようなオピオイド鎮痛薬は, SCIの急性疼痛の治療と脊椎外科手術のために広く使用されてきた. しかし, SCIラットモデルを用いた実験およびヒトでの臨床観察から, 鎮痛用量のモルヒネの髄腔内投与は, 脊髄虚血に伴うα-運動ニューロンの壊死と運動機能障害を悪化させることが示された. さらに, 中等度から重度の挫傷性SCIラットでは, 髄腔内モルヒネは脊髄損傷部位の病変サイズを増大させ, 機能回復に負の影響を及ぼす. しかし, 中等度から重度の脊髄損傷後の運動機能に対するモルヒネの副作用が報告されているが, 腰髄のα-運動ニューロン損傷のない軽度のSCI後の, 残存歩行機能に対するモルヒネの影響ついては検討されていない.
ISSN:0037-3826