CTガイド下針生検で診断・治療方針が確定した椎体の圧排を伴った後腹膜神経鞘腫の1例

「I 緒言」 神経鞘腫は外胚葉性腫瘍で, 頭や首, 四肢に好発するが, 後腹膜に発生することは稀である. 後腹膜腫瘍の原因としては神経鞘腫より副腎癌や褐色細胞腫の頻度が高く, これらの可能性があるために生検は一般的に禁忌である. 一方で後腹膜神経鞘腫は良性腫瘍であることが多く, 外科的切除で根治が望めるが, 発生部位によっては極めてリスクの高い手術になる. 良性腫瘍であれば外科的切除のリスクが高い場合は経過観察の選択肢も生じるため, 術前に正確な診断を行うことが望まれる. われわれは, 椎体への圧排を伴った後腹膜腫瘍に対して治療方針を決定するためにCTガイド下生検を行い神経鞘腫の診断が確定し,...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2022/06/10, Vol.70(3), pp.183-188
Hauptverfasser: 島田, 恭輔, 久保田, 諭史, 髙山, 昇平, 佐藤, 良紀, 小林, 翔太, 駒津, 光久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 緒言」 神経鞘腫は外胚葉性腫瘍で, 頭や首, 四肢に好発するが, 後腹膜に発生することは稀である. 後腹膜腫瘍の原因としては神経鞘腫より副腎癌や褐色細胞腫の頻度が高く, これらの可能性があるために生検は一般的に禁忌である. 一方で後腹膜神経鞘腫は良性腫瘍であることが多く, 外科的切除で根治が望めるが, 発生部位によっては極めてリスクの高い手術になる. 良性腫瘍であれば外科的切除のリスクが高い場合は経過観察の選択肢も生じるため, 術前に正確な診断を行うことが望まれる. われわれは, 椎体への圧排を伴った後腹膜腫瘍に対して治療方針を決定するためにCTガイド下生検を行い神経鞘腫の診断が確定し, リスクの高い切除術を回避できた症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 「II 症例」 症例:20歳, 女性. 既往歴:なし. 現病歴:X-1年12月, 健康診断の胸部X線写真で腹部に腫瘤影を指摘された. X年1月に前医を紹介受診し, 造影CTが施行され, 後腹膜腫瘍を指摘された.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.70.183