両側筋突起および咀嚼筋腱・腱膜過形成症による開口制限に外科的治療が奏功した1例

「I 緒言」咀嚼筋腱・腱膜過形成症は咬筋や側頭筋などの腱・腱膜が原因不明の過成長を起こすことにより開口障害を呈すると考えられている疾患である. 本疾患は, 閉口筋の伸展障害として近年認識されるようになってきた. 一方, 顔貌の特徴から, いわゆるsquare mandibleあるいはsquare shaped mandibleと呼ばれ咬筋肥大を呈する例に, まれに開口障害がみられることは従来から知られていた. この開口障害の治療法について, 咬筋剥離および筋突起切除(または切離), ならびに一部の例には下顎角切除術を併せて行うことにより開口障害が改善されたという報告がある. 今回われわれは長期...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2021/10/10, Vol.69(5), pp.253-259
Hauptverfasser: 相澤, 仁志, 山田, 慎一, 酒井, 洋徳, 近藤, 英司, 栗田, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 緒言」咀嚼筋腱・腱膜過形成症は咬筋や側頭筋などの腱・腱膜が原因不明の過成長を起こすことにより開口障害を呈すると考えられている疾患である. 本疾患は, 閉口筋の伸展障害として近年認識されるようになってきた. 一方, 顔貌の特徴から, いわゆるsquare mandibleあるいはsquare shaped mandibleと呼ばれ咬筋肥大を呈する例に, まれに開口障害がみられることは従来から知られていた. この開口障害の治療法について, 咬筋剥離および筋突起切除(または切離), ならびに一部の例には下顎角切除術を併せて行うことにより開口障害が改善されたという報告がある. 今回われわれは長期間開口障害に悩んだ症例で, 両側筋突起, および咀嚼筋腱・腱膜過形成症との診断下に外科的治療を行ったことにより, 良好な結果が得られた1例を経験したので報告する.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.69.253