クローン病の寛解期にサイトメガロウイルス肝炎を発症した1例

「I はじめに」サイトメガロウイルス (Cytomegalovirus : CMV) は, ヘルペス属のDNAウイルスであり, 主に新生児や免疫不全患者における日和見感染の原因として重要である. 近年では成人におけるCMV抗体保有率低下を背景に成人期での初感染例の増加が予測されているが, その臨床像については未だ不明な点が多い. CMV感染の表現型の一つとして時に遭遇するのが伝染性単核球症様の病態を呈する急性肝障害, CMV肝炎である. 今回我々は, クローン病の寛解期に急性肝炎で発症しCMV初感染が原因と考えられたサイトメガロウイルス肝炎を経験したので報告する. 「II 症例」症例 : 40...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2021/06/10, Vol.69(3), pp.127-133
Hauptverfasser: 山崎, 智生, 城下, 智, 大野, 和幸, 菅, 智明, 小林, 浩幸, 若林, 俊一, 山下, 裕騎, 杉浦, 亜弓, 梅村, 武司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」サイトメガロウイルス (Cytomegalovirus : CMV) は, ヘルペス属のDNAウイルスであり, 主に新生児や免疫不全患者における日和見感染の原因として重要である. 近年では成人におけるCMV抗体保有率低下を背景に成人期での初感染例の増加が予測されているが, その臨床像については未だ不明な点が多い. CMV感染の表現型の一つとして時に遭遇するのが伝染性単核球症様の病態を呈する急性肝障害, CMV肝炎である. 今回我々は, クローン病の寛解期に急性肝炎で発症しCMV初感染が原因と考えられたサイトメガロウイルス肝炎を経験したので報告する. 「II 症例」症例 : 40歳, 男性. 主訴 : 発熱. 既往歴・手術歴 : クローン病 (19歳時に発症). 右半結腸切除術 + 小腸部分切除術 + 回腸ストマ造設術 (31歳時). 常用薬 : メサラジン 3,000mg/日, ロペラミド 1mg/日, インフリキシマブ 300mg/7週, アザチオプリン 100mg/日.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.69.127