コクサッキーウイルスB2感染症により血球貪食性リンパ組織球症様の所見を呈した新生児の1例

「I はじめに」血球貪食性リンパ組織球症(hemophagocytic lymphohistiocytosis:以下HLH)は感染症, 悪性腫瘍性疾患, 自己免疫疾患など様々な原因により異常に活性化されたnatural killer細胞と細胞障害性Tリンパ球が炎症性サイトカインを過剰に放出し, それにより活性化されたマクロファージが自己血球を貪食する疾患群である. 発熱, 汎血球減少, フェリチン上昇などの所見を呈し, これらに重きを置いたHLH-2004診断ガイドラインが汎用されている. 新生児期発症のHLHは比較的稀ではあるが, 日本において2005年から2016年に報告された63症例の内...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2019/08/10, Vol.67(4), pp.253-258
Hauptverfasser: 清水, 純, 丸山, 悠太, 島崎, 英
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」血球貪食性リンパ組織球症(hemophagocytic lymphohistiocytosis:以下HLH)は感染症, 悪性腫瘍性疾患, 自己免疫疾患など様々な原因により異常に活性化されたnatural killer細胞と細胞障害性Tリンパ球が炎症性サイトカインを過剰に放出し, それにより活性化されたマクロファージが自己血球を貪食する疾患群である. 発熱, 汎血球減少, フェリチン上昇などの所見を呈し, これらに重きを置いたHLH-2004診断ガイドラインが汎用されている. 新生児期発症のHLHは比較的稀ではあるが, 日本において2005年から2016年に報告された63症例の内33名が死亡しており, 予後不良な病態である. また新生児期発症のHLHは哺乳量低下, 嘔吐, 無呼吸発作など非特異的な症状を呈することも多く, 診断基準を完全には満たさない症例も存在するとされ, 早期診断に難渋することがある.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.67.253