ヒストンメチル化修飾によるベージュ脂肪細胞制御
「I ベージュ脂肪細胞」 脂肪組織には, 白色脂肪のほかに褐色脂肪やベージュ(ブライト)脂肪が知られている. 白色脂肪が中性脂肪の形でエネルギーを貯蔵するのに対し, 褐色脂肪やベージュ脂肪は活発な熱産生を介してエネルギーを燃焼する. ベージュ脂肪細胞は, 外部環境に応答して白色脂肪組織に生じる熱産生性の細胞であり, 前駆細胞から分化するものと考えられているが, 白色脂肪細胞の形質転換で生じるとする主張もみられる. ベージュ脂肪細胞の分化は, 長期の寒冷やβアドレナリン受容体もしくはPPARγリガンドの刺激, 運動, 癌悪液質などで誘導され, 長期寒冷に関しては体温維持の環境適応機構と解釈できる...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2019/04/10, Vol.67(2), pp.121-122 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I ベージュ脂肪細胞」 脂肪組織には, 白色脂肪のほかに褐色脂肪やベージュ(ブライト)脂肪が知られている. 白色脂肪が中性脂肪の形でエネルギーを貯蔵するのに対し, 褐色脂肪やベージュ脂肪は活発な熱産生を介してエネルギーを燃焼する. ベージュ脂肪細胞は, 外部環境に応答して白色脂肪組織に生じる熱産生性の細胞であり, 前駆細胞から分化するものと考えられているが, 白色脂肪細胞の形質転換で生じるとする主張もみられる. ベージュ脂肪細胞の分化は, 長期の寒冷やβアドレナリン受容体もしくはPPARγリガンドの刺激, 運動, 癌悪液質などで誘導され, 長期寒冷に関しては体温維持の環境適応機構と解釈できる. 分子機構については多くの因子の関与が報告されており, 最終的にほとんど(もしくはすべて)の因子がPRDM16, PGC1α, CEBPβ, PPARγを介する. ベージュ脂肪細胞の性質は, 環境刺激が解除されたのちも一定期間(げっ歯類では2週間程度)維持されたのち, 中間的な前駆段階を通らずに直接的に白色脂肪細胞(より正確に言えば白色脂肪細胞の性質を持つ細胞)へと変わる. |
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ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.67.121 |