実験動物におけるピロリ菌以外のヘリコバクター属菌

「I はじめに」 実験動物の飼育維持における微生物学的統御は, 実験動物の健康, 人や環境への感染症拡大防止, および実験結果の再現性を高めるための実験動物の微生物学的品質の維持を主な目的としている. また, 人為的遺伝子改変により作出された免疫不全動物が多用される昨今, 日和見病原体を含む病原微生物が存在しない飼育環境が求められ微生物学的統御の重要性が増している. 実験動物生産業者の多くでは, 特にマウスやラットにおいて定期的な検査によりspecific pathogen free(SPF)として微生物学的品質を保証し販売している. 各研究機関の動物実験施設においてもSPF項目を設定し, 搬...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2019/04/10, Vol.67(2), pp.81-89
1. Verfasser: 山中, 仁木
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」 実験動物の飼育維持における微生物学的統御は, 実験動物の健康, 人や環境への感染症拡大防止, および実験結果の再現性を高めるための実験動物の微生物学的品質の維持を主な目的としている. また, 人為的遺伝子改変により作出された免疫不全動物が多用される昨今, 日和見病原体を含む病原微生物が存在しない飼育環境が求められ微生物学的統御の重要性が増している. 実験動物生産業者の多くでは, 特にマウスやラットにおいて定期的な検査によりspecific pathogen free(SPF)として微生物学的品質を保証し販売している. 各研究機関の動物実験施設においてもSPF項目を設定し, 搬入動物の検疫や定期モニタリング検査を実施し微生物学的統御に取り組んでいるところが多い. ヘリコバクター属菌には, ピロリ菌以外に病原性を示す菌種が多く存在し, Helicobacter hepaticusやH.bilisの2菌種はマウスに病原性を示す可能性が高いことから, 多くの生産業者や研究機関で統御すべき病原体としてSPF項目に挙げられている.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.67.81