当院における乳児肛門周囲膿瘍治療の臨床的検討

「I はじめに」 乳児期の肛門周囲膿瘍(以下, 本症)は, 日常診療でしばしば遭遇する疾患である. 本症は手術を行わなくても保存的治療で軽快する症例が多いが, 中には再燃, 再発を繰り返し治療期間が長期にわたる症例も存在する. 近年, 本症に対して切開排膿など患児に苦痛を与える処置はなるべく行わず, 十全大補湯や排膿散及湯などの漢方薬を用いて保存的治療が可能であるとの報告が多くみられている. 当院ではこれまで本症に対して十全大補湯の内服を基本に, 初診時に排膿可能な膿瘍を有する症例に対して切開排膿を行ってきた. 今回, 本症に対して治療を行った症例を見直し, 十全大補湯の内服のみで治療した群(...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2017/02/10, Vol.65(1), pp.31-35
Hauptverfasser: 岩出, 珠幾, 高見澤, 滋, 好沢, 克
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「I はじめに」 乳児期の肛門周囲膿瘍(以下, 本症)は, 日常診療でしばしば遭遇する疾患である. 本症は手術を行わなくても保存的治療で軽快する症例が多いが, 中には再燃, 再発を繰り返し治療期間が長期にわたる症例も存在する. 近年, 本症に対して切開排膿など患児に苦痛を与える処置はなるべく行わず, 十全大補湯や排膿散及湯などの漢方薬を用いて保存的治療が可能であるとの報告が多くみられている. 当院ではこれまで本症に対して十全大補湯の内服を基本に, 初診時に排膿可能な膿瘍を有する症例に対して切開排膿を行ってきた. 今回, 本症に対して治療を行った症例を見直し, 十全大補湯の内服のみで治療した群(以下, 内服群)と, 初診時に切開排膿を行った後に十全大補湯の内服をした群(以下, 切開群)とを比較して初診時の切開排膿の効果について検討したので, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.65.31