脊髄小脳変性症の克服に向けて
「I. なぜ今, 小脳疾患か?」小脳は, 後頭蓋窩の中で大脳の後方の下, かつ脳幹とくに橋の上に乗る形で存在している. 皮質, 白質, 深部核(歯状核)から成り, 皮質にはプルキンエ細胞, 顆粒細胞, ゴルジ細胞, バスケット細胞, 星状細胞の5種類の神経細胞と平行線維, 苔状線維, 登上線維の3種類の線維が存在し, 特有の層構造をなしている. これらの神経細胞や線維間のシナプス結合とネットワークも古くからよく知られている. 小脳は容積としては脳全体の約10%でしかないが, 神経細胞数は全体の50%以上と言われ, 重要な意味を持つものと考えられている. 小脳の機能としては, よく知られている平...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2015-02, Vol.63 (1), p.49-57 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. なぜ今, 小脳疾患か?」小脳は, 後頭蓋窩の中で大脳の後方の下, かつ脳幹とくに橋の上に乗る形で存在している. 皮質, 白質, 深部核(歯状核)から成り, 皮質にはプルキンエ細胞, 顆粒細胞, ゴルジ細胞, バスケット細胞, 星状細胞の5種類の神経細胞と平行線維, 苔状線維, 登上線維の3種類の線維が存在し, 特有の層構造をなしている. これらの神経細胞や線維間のシナプス結合とネットワークも古くからよく知られている. 小脳は容積としては脳全体の約10%でしかないが, 神経細胞数は全体の50%以上と言われ, 重要な意味を持つものと考えられている. 小脳の機能としては, よく知られている平衡と姿勢の維持や随意運動の協調のみならず, 運動学習や認知機能をも有することが, 分かっている. このように小脳の解剖学や生理学は古くからよく発展していたにも拘わらず, 治療法の開発という意味では, 後述のようにパーキンソン病はもとよりアルツハイマー病と比べても低迷していると言わざるをえない. |
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ISSN: | 0037-3826 |