私の宝物 ―Nasu病との格闘~膜嚢胞性病変の実験的作製

[I. はじめに] 池田修一先生, ならびに小柳清光先生から, 信州大学医学部で現在研究中の若年性認知症に関わる原因遺伝子の動態が那須病とも密接な関連がありそうなので, 改めて, 当時の話をしてもらいたいとのお話をいただいた. 私が大学院時代に携わることができた研究が母校である信州大学医学部で新たな視点から再び見直されていることを大変嬉しく思い, 昔の話でよければということでお引き受けした. 那須病(膜形成性脂質異栄養症)は言うまでもなく, 信州大学名誉教授, 医学部病理学第二講座教授, 那須毅先生(図30)らにより, 本邦で初めて提唱された新しい疾患概念で, 骨髄を始めとする全身の脂肪組織に...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2014-04, Vol.62 (2), p.134-139
1. Verfasser: 菅沼龍夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[I. はじめに] 池田修一先生, ならびに小柳清光先生から, 信州大学医学部で現在研究中の若年性認知症に関わる原因遺伝子の動態が那須病とも密接な関連がありそうなので, 改めて, 当時の話をしてもらいたいとのお話をいただいた. 私が大学院時代に携わることができた研究が母校である信州大学医学部で新たな視点から再び見直されていることを大変嬉しく思い, 昔の話でよければということでお引き受けした. 那須病(膜形成性脂質異栄養症)は言うまでもなく, 信州大学名誉教授, 医学部病理学第二講座教授, 那須毅先生(図30)らにより, 本邦で初めて提唱された新しい疾患概念で, 骨髄を始めとする全身の脂肪組織に唐草模様状ないしは羊歯の葉状の特異な構造物からなる膜嚢胞性病変と脳の広範囲な白質変性を生じる疾患である1)-4). その後, フィンランドでも同一症例の報告が, ほぼ同時期にHakolaらにより発表されていることが判明し5)6), 国際的にはNasu-Hakola diseaseと呼ばれることが多い.
ISSN:0037-3826