関節リウマチに起因する間質性肺炎の経過中に発症した肺原発悪性リンパ腫の１例

[I 緒言] 肺原発悪性リンパ腫(primary pulmonary lymphoma; 以下PPL)はnon-Hodgkin lymphoma全体の0.34% 1)とされまれな疾患である. また関節リウマチの治療薬であるMethotrexate (MTX)長期低用量投与はMTX-associated lymphoproliferrative disorderを引き起こす2)3)とされ悪性リンパ腫の一因と考えられている. 今回我々は関節リウマチに合併した間質性肺炎患者で, MTX治療中止後に間質性肺炎の病巣にPPLを発症した1例を経験したので文献的考察とともに報告する. [II 症例] 症例: 76歳, 女性. 主訴: 息切れ, 呼吸困難, 体重減少 盗汗. 家族歴: 弟; 咽頭癌. 社会歴: 喫煙歴なし, アルコール機会飲酒. 既往歴: 63歳時関節リウマチと間質性肺炎と診断され当院整形外科と当科にてそれぞれ経過観察されていた.