7 ICGを乳管内注入しPDEカメラ補助下にmicrodochectomyを施行したDCISの1例

症例は49歳女性. 左血性乳頭異常分泌を主訴に受診した. 画像診断では腫瘤を認めず病変の局在は不確かであった. また分泌液細胞診ならびに責任乳管領域のマンモトーム生検組織診でも乳癌の確定に至らなかった. 確定診断と根治を兼ねて, 責任腺菅範囲のmicrodochectomyを施行した. ICGを乳管に注入しPDEカメラで観察すれば乳腺が蛍光を発し切除範囲決定の一助になると仮説をたてた. しかし, 本症例では乳腺自体の蛍光を経皮的にも乳腺の表面からも観察することはできなかった. 乳頭直下の責任乳管からは強く蛍光を発しているのが観察され, 同乳管を同定することが容易であった. 末梢乳管に切り込んで...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2012-04, Vol.60 (2), p.125-125
Hauptverfasser: 高木洋行, 松野成伸, 宮本昌武, 桐井靖, 武田美鈴, 太田浩良
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は49歳女性. 左血性乳頭異常分泌を主訴に受診した. 画像診断では腫瘤を認めず病変の局在は不確かであった. また分泌液細胞診ならびに責任乳管領域のマンモトーム生検組織診でも乳癌の確定に至らなかった. 確定診断と根治を兼ねて, 責任腺菅範囲のmicrodochectomyを施行した. ICGを乳管に注入しPDEカメラで観察すれば乳腺が蛍光を発し切除範囲決定の一助になると仮説をたてた. しかし, 本症例では乳腺自体の蛍光を経皮的にも乳腺の表面からも観察することはできなかった. 乳頭直下の責任乳管からは強く蛍光を発しているのが観察され, 同乳管を同定することが容易であった. 末梢乳管に切り込んでしまった時も青色を目視することができた. 以上より, この方法はmicrodochectomyの有効な助けになることがわかった. 他施設からは成功例の報告もあることから, 今後はICGの注入量や濃度の改善工夫が必要と思われた.
ISSN:0037-3826