3 膝窩動脈捕捉症候群によると思われる完全閉塞例に対してPTAを施行した2例

【症例1】57歳男性. 【主訴】下肢壊疽. 【現病歴】糖尿病等で近医通院中の方. 下肢の壊疽にて入院加療目的に当院腎糖尿病内科紹介となった. 【経過】糖尿病性壊疽としてフットケア行われた. 経過中ABI検査にて0.79/1.21低下を認め, 当科紹介, PTAを施行した. 治療後壊疽は軽快し退院となった. CT検査結果を再検討した所, 膝窩動脈が腓腹筋内側頭に捕捉される像を確認, 膝窩動脈捕捉症候群と判断, フォローアップ中である. 【症例2】48歳女性. 【主訴】右下腿部痛. 【現病歴】受診1カ月前より数メートル歩行にて右下腿部がつる様に痛み, 色調不良となるため受診された. 【経過】ABI...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2012-04, Vol.60 (2), p.119-120
Hauptverfasser: 呉林英悟, 山本博昭, 板本智恵子, 三浦英男, 小林正経, 河合俊輔, 河野恆輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例1】57歳男性. 【主訴】下肢壊疽. 【現病歴】糖尿病等で近医通院中の方. 下肢の壊疽にて入院加療目的に当院腎糖尿病内科紹介となった. 【経過】糖尿病性壊疽としてフットケア行われた. 経過中ABI検査にて0.79/1.21低下を認め, 当科紹介, PTAを施行した. 治療後壊疽は軽快し退院となった. CT検査結果を再検討した所, 膝窩動脈が腓腹筋内側頭に捕捉される像を確認, 膝窩動脈捕捉症候群と判断, フォローアップ中である. 【症例2】48歳女性. 【主訴】右下腿部痛. 【現病歴】受診1カ月前より数メートル歩行にて右下腿部がつる様に痛み, 色調不良となるため受診された. 【経過】ABI検査にて0.64/1.17と低値認め, 右ASOに対してのPTA目的に入院となった. 血管造影にて閉塞認め, PTA施行した. ABI検査上1.06/1.10に改善得られた. 退院後2カ月で下肢痛再燃, ABI検査上も0.70/1.13と増悪認めた. CT検査再検討し, 明らかな索状物や筋束は確認できないが, 膝窩動脈捕捉症候群を疑い, 心臓血管外科にコンサルト, 手術となった. 【結語】膝窩動脈捕捉症候群によると思われる完全閉塞症例に対してPTAを施行した症例を経験した. 本疾患は報告も少なく稀な疾患である. リスクが少ない症例や再発性の症例に関して鑑別を考慮する必要があると考える.
ISSN:0037-3826