10 弾発現象を呈した浅指・深指屈筋腱損傷の1例

25歳男性. 割れたグラスで左環指を切って受傷した. 同日当院受診し外科医による創傷処置を受けた. 受傷1ヵ月後より左環指を伸展する際に弾発現象が出現するため当科を受診. 左環指MP関節掌側に創瘢痕を認め, 尺側皮下に結節が触知できた. 環指伸展時に弾発現象を認めた. MRI検査でFDPに横走する信号変化が認められ, 同部位の尺側で腱のたるみが認められた. 屈筋腱部分損傷後の弾発現象と診断し, 受傷3ヵ月後に手術を施行した. A1pulleyを切除するとFDS分岐尺側が完全断裂し, 遠位断端はA2pulley内に短縮していた. FDPは前後径の50%以上に及ぶ断裂を認め, 断裂部で断端遠位は弁...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2012, Vol.60 (1), p.43-43
Hauptverfasser: 下田信, 前角正人, 後田圭, 高山定之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:25歳男性. 割れたグラスで左環指を切って受傷した. 同日当院受診し外科医による創傷処置を受けた. 受傷1ヵ月後より左環指を伸展する際に弾発現象が出現するため当科を受診. 左環指MP関節掌側に創瘢痕を認め, 尺側皮下に結節が触知できた. 環指伸展時に弾発現象を認めた. MRI検査でFDPに横走する信号変化が認められ, 同部位の尺側で腱のたるみが認められた. 屈筋腱部分損傷後の弾発現象と診断し, 受傷3ヵ月後に手術を施行した. A1pulleyを切除するとFDS分岐尺側が完全断裂し, 遠位断端はA2pulley内に短縮していた. FDPは前後径の50%以上に及ぶ断裂を認め, 断裂部で断端遠位は弁状にめくれ上がった. FDSは断裂遠位の切除を余儀なくされ, FDPは腱縫合を施行した. A2pulley近位の部分切離も追加した. これで弾発現象は消失した. 術後6ヵ月経過時で弾発現象の再発はなく, 環指の関節可動域も左右差を認めない.
ISSN:0037-3826