6 当院における洞不全症候群に対する心房中隔ペーシングの有用性の検討

洞不全症候群(SSS)は心房細動(AF)を高率に合併するとされ, 近年, ペースメーカーでAFを抑制する非薬物治療が注目されている. 抗心房細動ペーシングの有効性に一定のコンセンサスが得られている中で心房中隔ペーシングも心房内の不均一性を改善して有用であるとの報告がある. 今回当院でペースメーカー治療を受けたSSSのうちAFの既往がある24症例(平均年齢74歳)を心房中隔群(18症例)と右心耳群(6症例)に分けてAF抑制効果を術後約12ヵ月間後ろ向きに比較検討した. 両群間の患者背景と投薬背景に有意差はなかった. 結果, AF burdenは心房中隔群150.8±314分/日, 右心耳群152...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2012, Vol.60 (1), p.36-37
Hauptverfasser: 阿部直之, 吉江幸司, 篭島充
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:洞不全症候群(SSS)は心房細動(AF)を高率に合併するとされ, 近年, ペースメーカーでAFを抑制する非薬物治療が注目されている. 抗心房細動ペーシングの有効性に一定のコンセンサスが得られている中で心房中隔ペーシングも心房内の不均一性を改善して有用であるとの報告がある. 今回当院でペースメーカー治療を受けたSSSのうちAFの既往がある24症例(平均年齢74歳)を心房中隔群(18症例)と右心耳群(6症例)に分けてAF抑制効果を術後約12ヵ月間後ろ向きに比較検討した. 両群間の患者背景と投薬背景に有意差はなかった. 結果, AF burdenは心房中隔群150.8±314分/日, 右心耳群152.6±301分/日とほとんど差を認めなかった. AF慢性化率は心房中隔群5.5%, 右心耳群16.6%と統計学的な有意差はないが心房中隔群で低い傾向を認めた. 今回の比較検討からは心房中隔群ペーシングの発作性心房細動(PAF)の抑制効果を認めることはできなかったが, AFの固定化を抑制できる可能性は示唆された. 症例数は少なく更なる検討を要する.
ISSN:0037-3826