3 SIADHに引き続き高ナトリウム血症を呈した1例

低Na血症は, しばしば重篤な意識障害の原因となる. 一方, 高Na血症は致死率の高い疾患である. 今回重症の低Na血症と高Na血症を同一症例において経験した. 87歳男性, 前立腺肥大症, 認知症, 多発性脳梗塞, にて胃瘻を使用し加療中だった. 平成22年10月に38℃の発熱があり, 血液検査にて炎症反応の上昇と低Na血症(116.5mEq/L)を認め, 胸部Xpにて肺炎を認めたため入院となった. 諸検査より低Na血症の原因は肺炎によるSIADHと診断した. 抗生剤を使用し肺炎の軽快に伴いSIADHも改善し退院となった. 翌月, 訪問看護往診時に頻脈を認め来院した. 嘔吐, 下痢はなく濃縮...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2011, Vol.59 (4), p.298-298
Hauptverfasser: 大久保麗那, 小川有香, 稲葉秀文, 市川真也, 赤穂伸二, 澤木章二, 大和理務, 桐井靖, 松野成伸, 宮本昌武, 高木洋行, 飯塚啓二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:低Na血症は, しばしば重篤な意識障害の原因となる. 一方, 高Na血症は致死率の高い疾患である. 今回重症の低Na血症と高Na血症を同一症例において経験した. 87歳男性, 前立腺肥大症, 認知症, 多発性脳梗塞, にて胃瘻を使用し加療中だった. 平成22年10月に38℃の発熱があり, 血液検査にて炎症反応の上昇と低Na血症(116.5mEq/L)を認め, 胸部Xpにて肺炎を認めたため入院となった. 諸検査より低Na血症の原因は肺炎によるSIADHと診断した. 抗生剤を使用し肺炎の軽快に伴いSIADHも改善し退院となった. 翌月, 訪問看護往診時に頻脈を認め来院した. 嘔吐, 下痢はなく濃縮尿を認めた. 血圧低下と脈拍110回/分, 皮膚乾燥を認め高Na血症(194.5mEq/L), BUN95mg/dl, Cr0.83mg/dlにて脱水+DICと診断し加療を行い退院となった. 高齢者や中枢疾患により意識障害のある際は電解質異常による症状が顕性化しない場合があるため, 身体所見や電解質のチェックを慎重に行う必要があると考えられた.
ISSN:0037-3826