5 熊外傷の2例

熊による2例の重度外傷の治療する経験したので, 考察を加え報告する. 【症例1】73歳女性, キノコ取りに山へ入り, 熊と遭遇し受傷した. 右顔面から頭部への受傷. 創は頭蓋骨まで達し, 眼瞼周囲の組織欠損を認めた. 当日洗浄, デブリ, 創縫合し開放として, 4日目に眼瞼周囲の再建2段階で行った. 右眼球は温存でき, 正常に近い顔貌となった. 【症例2】82歳女性 畑で熊に遭遇し受傷した. 左顔面の挫創で耳介亜切断, 鎖骨粉砕骨折, 上腕軟部組織欠損の状態. 当日創洗浄, デブリ, 縫合し1週後の左上腕へ皮膚移植を行った. 鎖骨骨折は保存治療した. 半年後左完全顔面神経麻痺について静的再建術...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2010, Vol.58 (6), p.368-369
Hauptverfasser: 加藤浩康, 岩澤幹直, 柴将人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:熊による2例の重度外傷の治療する経験したので, 考察を加え報告する. 【症例1】73歳女性, キノコ取りに山へ入り, 熊と遭遇し受傷した. 右顔面から頭部への受傷. 創は頭蓋骨まで達し, 眼瞼周囲の組織欠損を認めた. 当日洗浄, デブリ, 創縫合し開放として, 4日目に眼瞼周囲の再建2段階で行った. 右眼球は温存でき, 正常に近い顔貌となった. 【症例2】82歳女性 畑で熊に遭遇し受傷した. 左顔面の挫創で耳介亜切断, 鎖骨粉砕骨折, 上腕軟部組織欠損の状態. 当日創洗浄, デブリ, 縫合し1週後の左上腕へ皮膚移植を行った. 鎖骨骨折は保存治療した. 半年後左完全顔面神経麻痺について静的再建術を行った. 【考察】本2例では顔面に重度の外傷を負ったが, 頸部の大血管や脳の損傷まで及ぼなかったので, 生命に危機は及ばなかった. 熊外傷は高度の汚染創であるため, 初期はデブリ, 洗浄, 簡単に創縫合にとどめ, 待機的に治療を進めざる終えないが, 予定手術がうまく行えれば, よい治療結果を得ることが可能な外傷である.
ISSN:0037-3826