8 PCI施行時にIVUS抜去不能となり緊急手術を施行した1例
【はじめに】 冠動脈インターベンション時に血管内超音波(IVUS)は病変の性状を判定する有用な検査機器である. 今回われわれはPCI施行時に, ステントにIVUSが引っかかり抜去困難となった症例に対し, 緊急手術で抜去および冠動脈バイパス術を施行した1例を報告する. 【症例】 76歳, 女性. 狭心症の精査加療目的に当院紹介入院となった. 冠動脈造影でLAD#6 90%, #7 75%, LCX#11 90%狭窄を認めた. 二枝病変に対しPCIの方針とし, LAD, LCXそれぞれに冠動脈ステント留置を行った. その際に使用したIVUSが#11部位のステントに引っかかり抜去不能となったため緊急...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2010, Vol.58 (1), p.42-42 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】 冠動脈インターベンション時に血管内超音波(IVUS)は病変の性状を判定する有用な検査機器である. 今回われわれはPCI施行時に, ステントにIVUSが引っかかり抜去困難となった症例に対し, 緊急手術で抜去および冠動脈バイパス術を施行した1例を報告する. 【症例】 76歳, 女性. 狭心症の精査加療目的に当院紹介入院となった. 冠動脈造影でLAD#6 90%, #7 75%, LCX#11 90%狭窄を認めた. 二枝病変に対しPCIの方針とし, LAD, LCXそれぞれに冠動脈ステント留置を行った. その際に使用したIVUSが#11部位のステントに引っかかり抜去不能となったため緊急手術を施行した. 手術は上行大動脈送血, 右房脱血で人工心肺を確立し心停止下に施行した. LCX#11のステント直上で冠動脈を切開し, IVUSを離断した上でステントと一塊に除去し, 残存したIVUSについては大腿動脈刺入部より抜去した. LCX#11の切開部にSVGを吻合し, 冠動脈バイパス術を追加した. 術後経過は順調で術後CAGでグラフトの開存, LADの開存を確認し退院となった. 【考察】 冠動脈インターベンションは低侵襲かつ有効な治療手段として確立されているが, しばしば緊急の外科的処置を要する. IVUS抜去困難となった症例報告は散見され, いずれも外科的抜去を要しているものの比較的稀な合併症と考えられる. 【結語】 PCI施行時にIVUSが引っかかり抜去困難となった症例に対し, 緊急手術で抜去および冠動脈バイパス術を施行により救命しえた. |
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ISSN: | 0037-3826 |