5 外傷後麻痺上肢再建の2例
外傷後に生じた上肢の麻痺に対し腱移行術により機能再建を行った2例について, 若干の文献的考察を加えて報告する. 【症例1】 直径3mの木の切り株が右上腕に直撃し, 右上腕開放骨折・上腕動脈損傷となった. 右上腕二頭筋麻痺・高位橈骨神経麻痺・正中尺骨神経不全麻痺が残存した. 受傷後1年1ヵ月で, 高位橈骨神経麻痺に対して津下法による橈骨神経麻痺機能再建を施行. 受傷後2年5ヵ月で, 尺骨神経麻痺による鉤爪変形に対してlasso法を施行. 機能は再建された. 高位正中尺骨神経麻痺は残存した. 【症例2】 転落事故の際に左上肢が引っ張られ, その衝撃で左上腕神経叢全型麻痺となった. 受傷後徐々に回復...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2010, Vol.58 (1), p.30-30 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 外傷後に生じた上肢の麻痺に対し腱移行術により機能再建を行った2例について, 若干の文献的考察を加えて報告する. 【症例1】 直径3mの木の切り株が右上腕に直撃し, 右上腕開放骨折・上腕動脈損傷となった. 右上腕二頭筋麻痺・高位橈骨神経麻痺・正中尺骨神経不全麻痺が残存した. 受傷後1年1ヵ月で, 高位橈骨神経麻痺に対して津下法による橈骨神経麻痺機能再建を施行. 受傷後2年5ヵ月で, 尺骨神経麻痺による鉤爪変形に対してlasso法を施行. 機能は再建された. 高位正中尺骨神経麻痺は残存した. 【症例2】 転落事故の際に左上肢が引っ張られ, その衝撃で左上腕神経叢全型麻痺となった. 受傷後徐々に回復するも, 上腕二頭筋の麻痺が残存し, 受傷後10ヵ月の時点でも肘関節の屈曲が不能であった. 肘屈曲の機能再建のため, Zancolli法を行った. 術後, 左肘は屈曲可能となり, 屈曲拘縮や回内拘縮は認められなかった. |
---|---|
ISSN: | 0037-3826 |