4 メタボリックアナライザーは栄養療法に有用である

【はじめに】 栄養療法の第一歩はエネルギー必要量の決定である. 一般的には, Harris-Benedict(HB)の公式を用いて基礎代謝量を推定し, 活動係数・ストレス係数を乗じて算出する. 今回メタボリックアナライザーMed Gem(エムピージャパン株式会社)を用いて, 基礎代謝量の測定を行ったので報告する. 【方法】 メタボリックアナライザーとは, 安静時の酸素摂取量を測定し, 基礎代謝量を算出する装置である. 小型のため持ち運び可能で, 測定時間5~10分と簡易に測定できる. 今回は栄養相談中に患者さんの同意を得て検査に協力してもらった. 対象患者9名(男性4名, 女性5名, 平均61...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2010, Vol.58 (1), p.24-25
Hauptverfasser: 久保田沙織, 唐澤喜子, 加藤史子, 佐久間孝弘, 畑谷芳功
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】 栄養療法の第一歩はエネルギー必要量の決定である. 一般的には, Harris-Benedict(HB)の公式を用いて基礎代謝量を推定し, 活動係数・ストレス係数を乗じて算出する. 今回メタボリックアナライザーMed Gem(エムピージャパン株式会社)を用いて, 基礎代謝量の測定を行ったので報告する. 【方法】 メタボリックアナライザーとは, 安静時の酸素摂取量を測定し, 基礎代謝量を算出する装置である. 小型のため持ち運び可能で, 測定時間5~10分と簡易に測定できる. 今回は栄養相談中に患者さんの同意を得て検査に協力してもらった. 対象患者9名(男性4名, 女性5名, 平均61.9歳, BMI 19.2~36.3), 基礎疾患は糖尿病, 肥満などである. 測定結果とHBの公式から算定した基礎代謝量と比較した. 【結果及び考察】 測定した基礎代謝量は概ねHBの公式と類似する結果が得られた. しかし, 食後経過時間によってばらつきが大きく, 測定条件により正確な基礎代謝量が測定できなかったものと考えられる. 今後, 測定時の条件を統一することが課題といえる. また, 空腹時や食後4時間以上経過していた症例においてもばらつきがあり, 特にBMI 30以上の肥満では, HBの公式との差異が大きい傾向が見られた. さらに, 肥満度が高いほど, 基礎代謝量が低いことを予側したが, 今回の結果でははっきりとした相関関係は見られなかった. 同じBMIでも筋肉量・脂肪量など体組成の違いによる影響も大きいことが考えられる. メタボリックアナライザーによる基礎代謝量の測定は, 保険点数を請求することが認められており, 個人にあった栄養管理を行う上で, 必要栄養量を決定するために, 基礎代謝量を実際に測定することも有効であるといえる.
ISSN:0037-3826