2 ルーチン心エコーにて左冠動脈近位部狭窄を描出した1症例

スクリーニング心エコーにおいて, 左冠動脈近位部にモザイクフローを認め, 冠動脈造影検査で同部位に有意狭窄病変が確認された症例を経験したので報告した. 64歳男性, 糖尿病にて経過観察中. 心電図異常を指摘され, 心エコー検査を施行した. 右冠動脈領域の左室壁菲薄化と壁運動異常, および心尖部を中心とした前壁中隔~側壁領域の壁運動低下を認めた. さらに左冠動脈近位部はモザイクフローを呈し, パルスドプラにて拡張期最高血流速度167cm/sと狭窄を示唆する血流が得られ, 虚血性心疾患の存在が疑われた. 冠動脈造影の結果は, #1 100%, #5 75%, #9 100%, #12 90%, #...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2009, Vol.57 (5), p.223-223
Hauptverfasser: 井口純子, 比田井道徳, 村山範行, 内川慎一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:スクリーニング心エコーにおいて, 左冠動脈近位部にモザイクフローを認め, 冠動脈造影検査で同部位に有意狭窄病変が確認された症例を経験したので報告した. 64歳男性, 糖尿病にて経過観察中. 心電図異常を指摘され, 心エコー検査を施行した. 右冠動脈領域の左室壁菲薄化と壁運動異常, および心尖部を中心とした前壁中隔~側壁領域の壁運動低下を認めた. さらに左冠動脈近位部はモザイクフローを呈し, パルスドプラにて拡張期最高血流速度167cm/sと狭窄を示唆する血流が得られ, 虚血性心疾患の存在が疑われた. 冠動脈造影の結果は, #1 100%, #5 75%, #9 100%, #12 90%, #14 75%であった. 即ち, 左主幹部病変においては, 心エコー検査でのモザイクフロー観察部位と, 冠動脈造影検査で有意狭窄が認められた部位が一致していると考えられた. 超音波診断装置の性能が向上した現在, 経胸壁ドプラ法による冠動脈近位部の血流評価も, 一部の症例では可能であると思われる. これらの方法に壁運動評価を組み合わせることにより, 冠動脈近位部において, 今後ある程度非侵襲的に虚血評価を行いうると思われ報告した.
ISSN:0037-3826