ヒトにおいてIL-21はAID発現および形質細胞への分化誘導を介しB細胞のIgE産生を促進する

(論文の内容の要旨)【背景と目的】IL-21は, T細胞やNK 細胞に働き, B細胞には免疫グロブリン産生に関して重要な役割を担っていることが判明してきた. IL-21のB細胞に対する作用としてClass Switch Recombinationや形質 細胞への分化誘導などが報告されている. 近年, アレルギーの病態に重要な役割を担うIgEの産生調節に, IL-21がIL-4とともに深く関与することが示唆されている. ノックアウトマウスを用いた解析からIL-21はマウスIgE産生に抑制的に作用することが報告された. しかしながらIL-21のヒトIgE産生に関する作用は明確に分かっていない. 本研究はIL-21のヒトB細胞IgE産生における作用を検討した. 【方法】アレルギー疾患をもたない健常人から末梢血を採取しフィコール分離して末梢血単核球を得た. RosetteSepを用いてB細胞を分離し, さらにソーティング法でナイーブB細胞とメモリーB細胞を精製した. IL-4, 抗CD40抗体/CD32-transfectants(CD32T), IL-10などの刺激下において, IL-21(最適濃度25ng/ml)を添加し14日間培養後培養上清中のIgEをELISAで測定した.