7 僧帽弁置換術後合併症の2例
【はじめに】僧帽弁置換術後に合併症を起こした2症例を経験したので報告する. 【症例1】81歳女性, 1998年9月に僧帽弁狭窄および逆流にて僧帽弁置換術(SJM弁)施行. 2007年8月に左前頭葉梗塞にて入院. 2008年9月6日入浴後立位にて失神あり入院, 9月7日昼食をとるために起床した際に頻脈(心拍数120程度)と気分不快感を認めた. 9月8日心エコー検査にて左房内に31×26mmのほぼ球状の血栓を確認. 同日, 座位になった際に失神, 左房内血栓の嵌頓によると判断され緊急手術適応と考えられた. 手術にて左房内に3cmと1cm径のほぼ球状で茎を認めないfreeな状態の血栓が確認された....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2009, Vol.57 (2), p.90-91 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【はじめに】僧帽弁置換術後に合併症を起こした2症例を経験したので報告する. 【症例1】81歳女性, 1998年9月に僧帽弁狭窄および逆流にて僧帽弁置換術(SJM弁)施行. 2007年8月に左前頭葉梗塞にて入院. 2008年9月6日入浴後立位にて失神あり入院, 9月7日昼食をとるために起床した際に頻脈(心拍数120程度)と気分不快感を認めた. 9月8日心エコー検査にて左房内に31×26mmのほぼ球状の血栓を確認. 同日, 座位になった際に失神, 左房内血栓の嵌頓によると判断され緊急手術適応と考えられた. 手術にて左房内に3cmと1cm径のほぼ球状で茎を認めないfreeな状態の血栓が確認された. 【症例2】62歳男性, 2003年10月に僧帽弁閉鎖不全(PML prolapse)にて僧帽弁置換術(SJM弁)を行った. 2006年2月左膝内側外側半月板断裂により半月板切除術, 2006年5月に感染性アテロームにて切開排膿術を施行している. 2007年4月および2008年4月に心不全にて入院. 2008年8月および9月にめまいとTIAを呈しMRIにて左小脳半球に梗塞を確認. 同年10月に心不全増悪にて入院. 心エコーにてMVA(PHT):1.29cm2, meanPG:22.3mmHgと高度の人工弁圧較差と, 人工弁左房側に異常エコーを認めた. 経食道エコーにて人工弁に付着するvegetationと弁輪部からのびるpannusを認めた. 【考察】今回, 術後合併症をおこした2例とも機械弁による僧帽弁置換術後の症例である. 機械弁である場合, 経胸壁心エコーでは人工弁によるアーチファクトが影響し弁やその周囲の情報を得ることが難しい. 経食道エコーにて多くは確定診断に至るが, 経胸的にも血流情報を組み合わせ丁寧に観察することである程度の診断は可能である. |
---|---|
ISSN: | 0037-3826 |