3 当院におけるNSTと嚥下リハビリテーションの関わり

【はじめに】 NST回診の対象患者には嚥下障害に対しリハビリテーションが行われている場合がある. 嚥下障害重度の患者ではまず食物を用いない訓練や少量の嚥下訓練食(ゼリー, プリン等)のみでの訓練を行うが, この時期経口摂取での栄養確保は困難である. また経口摂取可能であっても摂取量の低下を認める患者も多い. 回診時栄養投与経路検討に際しSTは当該患者の嚥下機能, 経口摂取の状況を報告, また適切な食事形態等提言を行っている. そこで今回これらの患者の現状を調査したので報告する. 【対象および方法】 対象は平成18年7月から平成19年6月末までの1年間にNSTが新規介入し, 平成19年7月末まで...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2009, Vol.57 (1), p.50-50
Hauptverfasser: 本間紅, 田中由美子, 西山房枝, 大塚明子, 三澤賢治, 白鳥勝子, 岸本浩史, 平山周一, 中山剛, 手島憲一, 杉山順子, 中島昌子, 竹花美香, 内川節子, 倉根美咲, 手塚裕美, 上嶋優子, 小林由美子, 栗原由美子, 小澤幸代, 森淑恵, 池田さやか, 前田和美, 百瀬瑞恵, 田中智水, 笹井明子, 山田和歌子, 尾崎紋子, 鈴木友代, 伊丹川裕子, 草間昭俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】 NST回診の対象患者には嚥下障害に対しリハビリテーションが行われている場合がある. 嚥下障害重度の患者ではまず食物を用いない訓練や少量の嚥下訓練食(ゼリー, プリン等)のみでの訓練を行うが, この時期経口摂取での栄養確保は困難である. また経口摂取可能であっても摂取量の低下を認める患者も多い. 回診時栄養投与経路検討に際しSTは当該患者の嚥下機能, 経口摂取の状況を報告, また適切な食事形態等提言を行っている. そこで今回これらの患者の現状を調査したので報告する. 【対象および方法】 対象は平成18年7月から平成19年6月末までの1年間にNSTが新規介入し, 平成19年7月末までに当院を退院した124名のうち嚥下リハビリテーションのためSTが介入した症例である. 診療録, NST回診議事録よりNST, STの介入時期, 介入時, 退院時の栄養摂取方法等につき検討した. 【結果】 ST介入率は74.2%(92名)であり, その多くはNSTよりSTが早期に介入していた. 原疾患としては呼吸器疾患(肺炎)が最も多かった. NST介入時の食事摂取の方法は, 経口摂取が困難であり代替栄養が必要25名(27.2%), 嚥下訓練食(3食摂取しても必要栄養量を満たすことはできない)を摂取21名(22.8%), 3食経口摂取33名(35.9%)であった. 退院時に経口摂取が獲得できた症例は29名(31.5%), 嚥下機能低下重度で経管栄養, 経静脈栄養管理となった症例は33名(35.9%)であった. 経口摂取獲得症例のうち24名(26.1%)は, 嚥下機能低下により食事形態の工夫が必要となっていた. 【まとめ】 今回の検討ではNST介入症例に嚥下障害を呈しているものが多かった. 早期に適切な嚥下機能の評価をすること, 嚥下訓練中の経口摂取量不足例への栄養評価, 栄養管理が必要であると考えられた. 最後に症例について紹介する.
ISSN:0037-3826