34 重篤な感染症にもかかわらずCRPの上昇を認めなかった1例
重篤な感染症が疑われるにもかかわらず, CRPの上昇を認めなかった1例を経験した. 症例は77歳男性, 右大腿骨転子部骨折にて入院. 骨折観血手術を施行した, 約1ヵ月後に死亡. 死因は偽膜性大腸炎に合併した中毒性巨大結腸症に伴う敗血症ショックが強く疑われた. また, 入院時より経過中, 微熱が続き, 白血球は常に上昇していた. 以上より, 炎症・組織障害の原因がいくつかあったにもかかわらず, 炎症マーカーであるCRPは常に陰性であった. CRPが低値をしめす状態として, ステロイドの大量投与や長期投与を受けている場合. CRPの産生を誘導するIL-6の輸送タンパクであるa2-マクログロブリン...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2009, Vol.57 (1), p.47-47 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 重篤な感染症が疑われるにもかかわらず, CRPの上昇を認めなかった1例を経験した. 症例は77歳男性, 右大腿骨転子部骨折にて入院. 骨折観血手術を施行した, 約1ヵ月後に死亡. 死因は偽膜性大腸炎に合併した中毒性巨大結腸症に伴う敗血症ショックが強く疑われた. また, 入院時より経過中, 微熱が続き, 白血球は常に上昇していた. 以上より, 炎症・組織障害の原因がいくつかあったにもかかわらず, 炎症マーカーであるCRPは常に陰性であった. CRPが低値をしめす状態として, ステロイドの大量投与や長期投与を受けている場合. CRPの産生を誘導するIL-6の輸送タンパクであるa2-マクログロブリンが著減している状態でも, CRPが増加せず, このような病態として, 前立腺癌の骨転移, 造血系腫瘍, a2マクログロブリン欠乏症などが挙げられる. 本例では, a2マクログロブリンの著減する状態があったことが考えられる. |
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ISSN: | 0037-3826 |