23 下腿に発症し, 股関節離断により救命しえた劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症の1例

症例は40歳男性. 既往歴, 家族歴, 職歴に特記事項なし. 主訴左下腿痛. 初診時局所炎症所見は明らかではなかったが, 入院後数時間で左下腿に熱感, 腫脹, 発赤出現し, また疼痛も増悪した. 左下腿の浸出液に多数の溶連菌を認めたことから, 劇症型溶血性連鎖球菌感染症と診断し, 同日デブリードマンを施行した. 抗生剤やグロブリン製剤の投与, 透析を行ったが, 多臓器不全となった. 切断術以外の方法では救命は不可能と判断し, 第6病日左股関節を離断した. 術後多臓器不全は速やかに回復した. 現在では義肢使用にて独歩可能となっている. 【結語】劇症型溶血性連鎖球菌感染症は皮膚および筋膜に急速に壊...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2008, Vol.56 (4), p.223-223
Hauptverfasser: 加藤茂俊, 三井勝博, 江尻一郎, 長谷川太郎, 竹内和航, 小林衛, 斉藤博, 前田道宣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は40歳男性. 既往歴, 家族歴, 職歴に特記事項なし. 主訴左下腿痛. 初診時局所炎症所見は明らかではなかったが, 入院後数時間で左下腿に熱感, 腫脹, 発赤出現し, また疼痛も増悪した. 左下腿の浸出液に多数の溶連菌を認めたことから, 劇症型溶血性連鎖球菌感染症と診断し, 同日デブリードマンを施行した. 抗生剤やグロブリン製剤の投与, 透析を行ったが, 多臓器不全となった. 切断術以外の方法では救命は不可能と判断し, 第6病日左股関節を離断した. 術後多臓器不全は速やかに回復した. 現在では義肢使用にて独歩可能となっている. 【結語】劇症型溶血性連鎖球菌感染症は皮膚および筋膜に急速に壊死が拡がり, 抗生剤の投与や外科的切除など適切な処置を行っても多臓器不全, ショックとなり死に至ることも多い. 救命のためには診断がつき次第, 感染部位の全切除が第1選択ではないかと考えられた.
ISSN:0037-3826